日産、2026年までに「30車種導入」で挽回なるか 「売れるクルマがない」端境期からの脱却
キックスが登場する前の10年間、日産はなにひとつ新しいモデルを日本に導入していなかったのだ。これが、日本市場の現状である。逆に、こうした状況下で販売の現場はよくやっているものだと思う。
同じように、アメリカ市場でも主力となるべくアルティマやマキシマといったセダン、大型ピックアップトラックのタイタンも、それぞれ発売から6年以上が過ぎている。
新しいモデルをどんどん投入しなければ、ラインナップの魅力が薄れてしまう。そんな当たり前のことさえ、日産はできていなかったのだ。
ギャンブルを避けた結果が今…
もちろん、新型車の導入は、お金のかかるギャンブルでもある。どれだけ綿密にマーケティングを行っても、ヒットするかはわからない。そういう意味で、経営的には“新型車はない方がいい”ともいえる。
これまでの日産は、そうしたギャンブルを避けつつ、売り上げを伸ばすことに注力していたようにも見える。短期的な結果は出ていたかもしれないが、長い目で見ればブランドを毀損するはずだ。
「ワクワクする新型車を数多く世に送り出すブランド」と「古くからあるモデルばかりのブランド」のどちらが魅力的に見えるのかは、考えるまでもない。
当然、日産もその問題はわかっているだろう。2024年3月に発表した中期経営計画「The Arc」では、2026年までに30車種もの新型車を投入するとしている。懸念のあるアメリカ市場にも新型ムラーノとアルマダの導入が間近だ。
これらの新型車ラッシュの結果を見てから、日産の先を考えるのがよいのではないだろうか。
ホンダとの経営統合が結実したとしても、その成果(製品)が出るには時間がかかる。2026年までに続々と登場する新型車が、どう市場に受け入れられるのか。日産の実力が試される。
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