日産、2026年までに「30車種導入」で挽回なるか 「売れるクルマがない」端境期からの脱却

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また、日本で日産といえば「e-POWER」と呼ぶハイブリッドが人気を集めているが、アメリカでは展開していない。日本ではハイブリッド版しか販売されていない「エクストレイル」に対して、兄弟車のローグは純エンジン車のみとなる。

「エクストレイル」の兄弟車である「ローグ」(写真:日産自動車)
「エクストレイル」の兄弟車である「ローグ」(写真:日産自動車)

価格の高いハイブリッドは、利益率も高い。アメリカ市場でもハイブリッドをしっかりと展開できていれば、収益もそれほど悪化しなかったのではないだろうか。

こうしたラインナップ刷新のタイミングの悪さとハイブリッドの不在が、今期の不調の近因と言えるだろう。

11車種中6車種が“売りづらいクルマ”

では、遠因は何だろうか。いくつも考えることができるが、筆者はモノづくりをリードするマネジメントに問題があるようと思っている。具体的に言えば、製品ラインナップが市場のニーズと合っていない。

アメリカでモデルチェンジの端境期を生んでしまったように、日本でも日産のラインナップは、とても褒められるようなものではない。日本でのラインナップは、端的に言って「数が少ない」。

■BEV(電気自動車)
リーフ、アリア
■コンパクトカー
ノート、オーラ
■SUV
キックス、エクストレイル
■ミニバン
セレナ、エルグランド
■セダン
スカイライン
■スポーツ
GT-R、フェアレディZ

軽自動車を除くと、わずか11車種しかない。この中で、スポーツカーの2車種は数が望めないし、BEVの2車種も苦戦中だ。さらにスカイラインとエルグランドは、発売から10年以上を経過している。つまり、11車種のうち6車種は、“売りづらいクルマ”である。

ライバル「アルファード」のモデルチェンジをよそに2010年から変わっていない「エルグランド)(写真:日産自動車)
ライバル「アルファード」のモデルチェンジをよそに2010年から変わっていない「エルグランド)(写真:日産自動車)

実質的にはノート、オーラ、キックス、エクストレイル、セレナの5車種で商売をしなければならない。これで売り上げを伸ばす方が難しいだろう。

また、その中のキックスが日本に導入されたのは、2020年6月であったが、このときなんと日産にとって日本市場への10年ぶりのブランニューモデルであった。

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