明日発表!植田日銀に「12月利上げ」はあるのか 「トランプ2.0」の影響と日銀への利上げ圧力

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最後に日銀にとって悪夢のリスクシナリオも書いておきたい。全能感が高まっているトランプ氏はFRBへの介入だけでなく、他国の政策への口先介入も躊躇しないだろう。そして1つの標的になりそうなのは日銀である。

実質実効為替レートという通貨の実力をみる指標でこの30年間の通貨の動きをみると、ドルは最高値である一方、円は最安値である。

 

トランプ氏が円安を目の敵にする可能性

円はピーク(1995年4月)対比でみるとなんと3分の1近くになっている。そして両者の差はバイデン政権下で大きく拡大している。インフレ抑止に急ピッチで利上げを行ったFRBと「高圧経済」政策を継続した日銀という両国の金融政策の方向性の違いを反映したものであることは明らかだが、トランプ氏の目には「日本が意図的に円安にした」としか映らないであろう。

円安是正のためにトランプ氏が日銀に利上げを催促する発言が行われる可能性は相応に高い。もちろん、日銀は自らの政策判断を貫けばよいが、そうした口先介入が市場を動かす事態は想定しておくべきであろう。

下田 知行 政策ストラテジスト・立教大学経済学部特任教授

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しもだ ともゆき / Tomoyuki Shimoda

1989年東京大学法学部卒業後、日本銀行入行。国際決済銀行(BIS)派遣、信用機構室調査役、金融市場局企画役、金融機構局国際担当総括(現・国際課長)を経て、国際通貨基金(IMF)日本代表理事代理。帰国後、松山支店長、企画局審議役、一橋大学国際・公共政策大学院特任教授などを経て、2024年4月から現職。異次元金融緩和の政策コミュニケーションを統括し、海外中銀・国際機関との政策調整や主要ヘッジファンドなど市場との対話を強化したほか、グローバル金融危機ではバーゼル3交渉責任者を務めた。最近は中央銀行デジタル通貨(CBDC)などデジタルアセット、脱炭素やESG戦略、地銀の成長モデルなどの研究を行っている。著書に「中央銀行デジタル通貨(CBDC)がよくわかる本」

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