最後に日銀にとって悪夢のリスクシナリオも書いておきたい。全能感が高まっているトランプ氏はFRBへの介入だけでなく、他国の政策への口先介入も躊躇しないだろう。そして1つの標的になりそうなのは日銀である。
実質実効為替レートという通貨の実力をみる指標でこの30年間の通貨の動きをみると、ドルは最高値である一方、円は最安値である。
トランプ氏が円安を目の敵にする可能性
円はピーク(1995年4月)対比でみるとなんと3分の1近くになっている。そして両者の差はバイデン政権下で大きく拡大している。インフレ抑止に急ピッチで利上げを行ったFRBと「高圧経済」政策を継続した日銀という両国の金融政策の方向性の違いを反映したものであることは明らかだが、トランプ氏の目には「日本が意図的に円安にした」としか映らないであろう。
円安是正のためにトランプ氏が日銀に利上げを催促する発言が行われる可能性は相応に高い。もちろん、日銀は自らの政策判断を貫けばよいが、そうした口先介入が市場を動かす事態は想定しておくべきであろう。
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