「中学受験」で子どもの"言語能力"が身につく理由 タブレット端末の学習では得られないこととは

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このような、自分の頭をできる限り使って得た学びや情報は、より記憶に残りやすいという効果もあります。

また、身につけた知識や考え方からより学びを深めるためには「アウトプット」が欠かせません。

いち教育者として断言できるのは、子どもたちの学習効果を高めたいなら、いつの時代も紙と鉛筆を用いて自分の体と頭を使う「書く」学習こそが、最適なアウトプットだということです。

なぜなら、「書く」という体を動かす作業を通じて、より印象に残る状態を作り出すこと、つまり、より多くの五感や心を動かしながら学びを進めていくことができるからです。

心が動いた出来事は忘れづらい

1つの例を出します。

子どもたちに「5日前の晩ご飯は何だった?」と聞くと、たいていは覚えていません。それは、その食事がそこまで印象の強いものではないからです。

しかし、「合宿のときに食べたカレーがいつも以上に美味しかった」「10歳のときの誕生日会がとても楽しかった」など、心が大きく動いた時のことはきっと覚えているはずです。

この例からもわかるように、人間は心や体が動かないと、経験として身につきにくいものなのです。

指先で画面をタップする動きだけでは、心と体は大きな動きを見せないので、子どもたちの成長につなげる取り組みとしてはデジタルツールの活用は適していないといえるでしょう。

とはいえ、パソコンやタブレットの活用は時代の流れともいえます。

その中で、デジタルツールをできるだけ効果的に活用するには、まず保護者から子どもたちに対して目標とモチベーションを与え、しっかりコミュニケーションをとりながら進めることが必要です。

そうすれば、デジタルツールを活用した学習も、少しは意味があるものにできる可能性はあるでしょう。

ただし、小学生にとってパソコンやタブレットを使った学習は、あくまで中身が勉強であるだけでゲームに過ぎない、という認識を持っておくことが大事なポイントです。

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