金はまだ「買い」!2025年に3000ドル到達も "金利がつかない"のに金の価格が上がるワケ

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これらの記録的な上昇を支える材料は決して1つではない。しばしば「有事の金」という言葉を見聞きするが、これは1970年代後半に生まれた過去の常識だと、筆者は認識している。

確かにあの時代はオイルショックなど、大規模な有事が同時発生し、一時的な急騰が起きた。1978年から1980年までの約3年間、上昇幅にすると、約700ドル(150ドル近辺から850ドル程度までの上昇)。世界を震撼させる有事が同時多発しても、数年間で700ドル程度しか上昇しなかった。

今起きていることは冒頭で述べたとおり、年初からの10カ月間だけで730ドルの上昇を実現している。超長期上昇トレンドは、およそ四半世紀にわたって継続中で、2000ドル以上も上昇している。これらの上昇が有事だけで起きていないことは明白だ。

代替資産や代替通貨、中国需要も

金に対しては短中期・中長期・超長期で、7つのテーマが大きく左右している。

まず短中期では、「有事ムード」(不安発生時の資金の逃避先)、「代替資産」(株の代わり)、「代替通貨」(ドルの代わり)の3つ。また中長期では、「中国やインドの宝飾需要」(新興国での個人の売買)、「鉱山会社」(ヘッジ動向)、「中央銀行」(外貨準備高における金保有量の増減)の3つである。

そして超長期においては、「見えないジレンマ」(世界の民主主義の行き詰まり、世界分断の深化)だ。これらは多かれ少なかれ、金市場に対して、絶えず上下いずれかの圧力をかけている。

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