元幹部逮捕など激震続き、PTAの最上位団体「日本PTA全国協議会」の闇 文科省が距離を置く?内閣府から勧告もあった
その後日Pは、内閣府公益等認定委員会に、公益法人の管理・運営能力、日P会館改修工事についての理事会の運営及び役員の認識、今後の再発防止策について、報告書を提出した。
しかし金田氏は、「この数年間のことについて報告するはずなのに、日Pからは、この数年間の状況を一番把握している私に対し、何の聞き取りもありませんでした」と言う。
そして24年12月25日。内閣府公益認定等委員会は、日Pに対し、公益法人認定法に基づき運営状況を是正する勧告を出した。
「日Pからの報告内容は具体性に欠け、十分に議論された形跡も見受けられない」と指摘し、
・日P会館改修工事に伴い元役員が背任罪に問われている事件について、毀損した財産額や責任の所在、回復方法を明らかにし、再発防止策を策定する。
・継続的な法人運営を確立するため、事務局長をはじめとする役職者および事務員を確保し安定した事務体制を整備する。

などについて、今後1年以内にとる具体的かつ実効性のある計画を策定し、2025年3月31日までに行政庁に書面で提出することを求めている。改善がみられない場合、命令や認定取り消し処分になる可能性もある。
翌12月26日に日PのHPには、
「勧告の内容に真摯に対応し、改善計画の策定を進め、公益社団法人としての運営の適正化 ・改善に努めていく」という旨の記載があった。
「日Pは、組織を根本から立て直すしか再生の道はありません。2022年から2024年の3年間で何が起きたのか、私を含め、該当年度の役員を徹底的に調査し、役員全員が一度退く。そして、真摯に組織改革に取り組む意欲のある新しいメンバーで、組織を作り直したほうがよいと思います」
「日本中の保護者の代表」としての自覚を
一連の騒動により、近年、各都道府県や政令指定都市のP連が日Pを退会する事例が相次ぎ、会員数は減少の一途をたどっている。東京都PTA協議会、千葉市PTA連絡協議会、さいたま市PTA協議会がすでに退会し、今年度末には千葉県PTA連絡協議会も退会予定だ。
さらに、2024年9月、岡山県PTA連合会が「会員数の減少で活動の継続が困難になった」とし、都道府県単位のPTAとしては初めて解散することを表明、同年12月末に日Pから退会した。
今後、日Pがどうなっていくのかについては、知る由もない。
繰り返しになるが、日Pは政府や関係機関へ保護者の要望を伝える役割を持つPTAの全国組織である。現に、日Pの会長や顧問は「日本中の保護者の代表」として文部科学省中央教育審議会の委員、教育振興基本計画部会の委員等に選出されている。
改めて指摘するまでもないが、あえて記述する。日Pには、「全国の保護者を代表する組織」としての自覚を持ってほしい。
組織として膿を出し切る勇気と覚悟をもたず、その場しのぎの対応が繰り返されるようであれば、日Pの存在意義は、限りなくゼロに近づいていくだろう。
(注記のない写真:Luce / PIXTA)
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