「リスキリング」の本気度が企業の評価を変える 「プラチナキャリア」先進企業の働き方と共通項

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役職が少ないフラットな組織に移行する企業が増え、「年齢が高ければ役職も高い」という職場は徐々に減ってきている。

こうした中で、将来の働き方として注目されているのが、三菱総合研究所運営の「未来共創イニシアティブ(ICF)」の提唱する「プラチナキャリア」だ。

プラチナキャリアとは、「人生100年時代、年齢を問わず自己の成長や所属する企業の発展、ひいては社会課題解決を目指し、自律的に学び、経験を通じてスキルを磨き、得られたスキルを存分にいかして活躍していくキャリア」と定義している。

そうしたプラチナキャリア形成を積極的に支援する企業を選び、表彰するのがICF主催で、三菱UFJ信託銀行が企画に加わる「プラチナキャリア・アワード」だ。2019年から行われ、今年で6回目となる。

年齢問わず自己成長を促す企業を評価

アワードでは、定義に書かれている通り、年齢を問わず自己成長を促す取り組みを評価している。

プラチナキャリア・アワードの事務局を務める三菱UFJ信託銀行経営企画部エグゼクティブアドバイザーの星治氏は、「人生100年時代と言われる中、60歳で退職という考え方はそぐわない。年齢で区切った考え方をやめるべき」と年齢という意識を持たないことが新しい時代に必要と考える。

そのうえで、「年齢によらず仕事に役立つスキルを身につけ、そのスキルを生かしたキャリア形成が必要になる」(同氏)と働く側の意識改革も求める。

実際、2024年の受賞企業の取り組みを見ると、自らスキルアップやキャリアアップを支援する取り組みが多い。その中身を見ていこう。

最優秀賞はライオンだ。

「従業員が自分を理解する、仕事を理解する、目標を設定する、学習する」という4つのキャリア自律サイクルを構築する。そして、上長と部下の関係性を高める「関係性向上プログラム」を導入し、心理的安全性の醸成に努めている。

このような、「自律した個」を躍動させるキャリア自律サイクルの構築や従業員支援が高く評価された。

さらに、業務内容や気分に合わせて、時間と場所を自由に選択できるオフィスを実現するなど、多様な人材が働きやすい職場を実現しており、従業員同士の交流活発化や社内外の共創など、企業理念を反映した環境整備を実施している。

優秀賞のイトーキは、中期経営計画で「従業員エンゲージメント調査結果を85%以上」とするKPI(重要業績評価指標)を掲げる。

上司とのキャリアデザイン面談や日々の1on1ミーティングなど、従業員の輝くキャリアを支援するコミュニケーションを強化している。

社員の働く意欲を後押しする施策や、多様な働き方を推進して離職率の大幅減少を達成した点が優れていた。

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