元テレ東・佐久間宣行への「人生相談本」が相次ぐ訳 地に足ついた"仕事術"が評価される納得理由
また、そんな細やかな機転は過去にもあった。2023年にトークバラエティ番組『まつもtoなかい』に佐久間がゲスト出演した際のこと。MCの松本人志が「僕のダメなところってどこですかね」と尋ねていた場面が印象深い。
なかなか難易度の高い質問だが、これに佐久間は「(松本が映画などで表現してきた世界観をプロデュースする)ブレーンが必要なんじゃないかなと」と答え、松本に絶賛された。
このとき佐久間が伝えた内容をよく見ると、松本の本業である「お笑い」についてはジャッジしていない。あくまで佐久間の本業である「プロデュース」の側面から意見を述べることで、またしても相手のメンツには触れず、巧みな切り返しを見せたのである。
嘘はつかずに、相手の機微を繊細に汲むことでメンツを立てる。ベテラン共演者もつい佐久間に相談したくなる所以は、そんなところにも見え隠れしている。そして、こういった細やかな気遣いは、人間関係の中で摩耗している会社員たちにも響いているだろう。
「会社員か、独立か」永遠の悩みに対する答えは…
サラリーマンとして評価を残して独立し、フリーランスとしても実績を更新し続ける佐久間は、キャリアステップの成功例としても理想的な人物だ。
転職社会におけるキャリア形成は、多くのはたらく人にとって迷いの種。このまま今の会社にいていいのか、独立もアリなのか、はたまた転職か……。誰しも一度は頭をよぎったことのあるこの問いに対して、佐久間はこう諭す。
書かれているのは転職や独立そのものの是非ではない。「ここではないどこか」に甘い理想を抱き、衝動的に決断するのは危ういと彼は告げる。佐久間自身が、約22年組織で勤め上げて40代で独立した周到な“準備の人”なのだから、この答えには納得だ。
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