メトロ上場で注目、鉄道「株主優待」おトクなのは? 乗車券や割引券、JR4社と大手私鉄15社を比較
これまで見てきたとおり、大手私鉄各社は株主優待が充実している。とくに沿線で役立つ内容が多く、沿線住民に株を買ってもらい、さらに愛着を持ってもらおうという姿勢がうかがえる。
一方、株主優待という観点では「渋い」といえるのがJR各社だ。その中で一番充実しているといえそうなのはJR九州。全線の普通・快速列車に乗れる1日乗車券が100株につき年間1枚発行されるほか、グループ施設の優待券が2500円分、日韓を結ぶ高速船クイーンビートルの割引券がもらえる。ただしクイーンビートルは浸水隠蔽問題で現在運休している。
ほかのJR3社は乗車券ではなく「割引券」だ。JR西日本は100株の場合、片道1人の運賃・料金が5割引きとなる券が年1枚。このほかグループ施設などが割引となる優待券、京都鉄道博物館の入館割引券がある。JR東日本は300株で運賃・料金が4割引きとなる券が年1枚だ。以前は100株以上だったが、株式分割(1株につき3株の割合)によってこのようになった。このほかに株主サービス券がもらえる。
株主優待に見る鉄道会社の個性
株主優待という点では、JR東海はかなり渋い。必要なのは500株以上で、500株の場合もらえるのは運賃・料金が1割引きとなる株主優待割引券1枚のみだ。このほかのグループ施設などの優待券は、保有株数を問わずない。500株だと約160万円が必要で、株主優待が目的だとハードルが高めだ。
各社の個性が表れる株主優待は、株主であることも多い沿線住民を鉄道会社がどれだけ大切にしているかを示す材料とも考えられる。また、優待が充実した鉄道会社の沿線に住むという視点もあっていいだろう。
なお、会社によって優待を受けるのに最低限必要な株数は異なるが、当然ながら株価によって購入に必要な額は異なる。最低株数が200株以上の会社だからといって、必ずしも100株の会社よりもお金が必要というわけではないのは注意すべき点だ。また、今回は最低限の株数で受けられる優待の内容を主に見てきたが、例えば1000株だとどう内容が異なるのかなど、実際に保有する場合はさまざまな点をよく確認すべきである。
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