セブン「上げ底疑惑」で社長発言がマズすぎた理由 言い方や、他企業との比較も悪手でしかなかった
しかし、仮に現場から情報が上がってこなかったとしても、経営者は消費者の反応に敏感であるべきだ。それこそSNSであれば、いつでもスマホひとつで情報収集できる。いかなる理由があったとしても、悪評には敏感になっている必要があっただろう。
「疑惑の否定」ではなく「新たな提案」を打ち出す
セブンは全国2万1000店を超える一大流通チェーンだ。セブンへの疑念は、小売業全体への疑念につながるほどの影響力を持っていることを忘れてはいけない。あらゆる弁当や総菜が「どうせ上げ底だ」と諦められる前に、とれる手段はあるはずだ。
しかしながら、社長が「否定」コメントを出しても、なお疑念がうずまいている現状を打開するには、どのような手を打てばよいのだろう。やはり、企業側から進んで「比較」をする必要があるのではないか。
今回の再編により、総合流通グループから、コンビニ運営企業に特化する。このタイミングで「ライバルは“過去のセブン”」と打ち出すのだ。仮に、これまでの疑惑が事実無根ならば、「その悪印象を払拭するほどのインパクトを持つ新商品」を用意すればよい。
それは必ずしも、ボリュームを増やせばいいというワケではない。違いが感じられる質の向上や、他社にないオリジナルメニューなど、これまでの商品開発の延長線でも、十分対応できるだろう。大事なのは、広報戦略などの「見せ方」だ。
現状維持ではなく、パワーアップしたと、消費者に印象づける。「疑惑の否定」ではなく「新たな提案」とすることで、ポジティブなイメージは醸成されていく。まさに消費者を「いい気分」にできるか否かに、新生セブン-イレブンの先行きはかかっている。
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