"異色"オーディション「ノノガ」に感じる新しい波 プロデューサー「ちゃんみな」の姿勢に共感続出
公開された2次審査の様子からも、そのことが見て取れた。
2次審査は、ちゃんみなとSKY-HIの前で候補者が課題曲を歌う。それ自体はわりとオーソドックスなやりかただ。
だが違うのは、審査する2人のリアクション。それが実に素直なのだ。
こうしたオーディションでも、審査員が歌を聴きながら微笑むくらいはあるだろう。だがちゃんみなとSKY-HIは「スゲー」といった感嘆の声をストレートに発し、さらにはSKY-HIがたまらずリズムに乗って体を揺らし始める。そして歌い終わると、ちゃんみなが「これが実力の暴力です」と独特の表現で称賛する。
また、あまりの歌の凄さに最後はちゃんみなが立ち上がって拍手した候補者もいた。彼女の人生に興味を抱いたちゃんみなが、応募の動機を尋ねる。
すると彼女はこれまでネガティブになりがちだった自分を克服したいから受けたと語り、その言葉にちゃんみなが自分の過去と重ね合わせて感極まった表情を見せる場面もあった。
ほかにも、年齢制限で他のオーディションを受けられなかった候補者や、他のオーディションで「目立ちすぎないように」と言われ、自分の個性を否定された気持ちになった経験を持つ候補者も。
「ちゃんみなさんのもとでぜひ」と可愛らしくアピールして場をなごませる候補者もいるが、基本はまさに、そのひとの声、そしてそれを通して伝わってくる人生に耳を傾けるオーディションであることがよくわかる。
先ほど書いたように3次審査はグループ単位でのパフォーマンス審査。ここで求められるレベルは高く、どのパフォーマンスもそれだけで見応え十分だ。
各チームの課題曲は椎名林檎の「本能」や山口百恵の「プレイバックPart2」などもあってバリエーション豊か。あえて「ものまねになりやすい曲」をちゃんみなが選んでいて、そこにどう自分たちのカラーを出していくかが問われる。
だから原曲を自由にアレンジしていいし、ちゃんみなもむしろそれを求める。ちゃんみな自らがグループや候補者に細かくアドバイスをしたり、ひとつのサンプルとして自分で歌ってみせたりする場面も。この審査員と候補者の圧倒的な近さも、従来のオーディションではあまり見られないものだ。
「私は絶対に口パクはさせない」
またたとえデビューしたとしても「私は絶対に口パクはさせない」というちゃんみなの宣言もあった。
踊りながら歌うことはもちろん大変難しいことなのだが、それでも口パクをしないで歌うことは技術的にも可能だと、ちゃんみなは自分の経験を踏まえ主張する。まず声を聞かせてほしいという強い思いが、ここにも貫かれている。
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