北朝鮮より中国が鎖国?中国が国境を閉ざす理由 2024年中朝友好年も何もしないまま終了か

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そんな微妙な中朝関係が続いていたのだが、2024年8月に、ようやく関係の改善を感じさせる事例を確認できた。それは、中国当局に拘束されていた朝鮮族の中国人貿易商が釈放されたのだ。

拘束されていた貿易商らはほぼ北朝鮮貿易の従事者で、2023年末から2024年始にかけて平壌に数週間滞在し、帰国直後に拘束されたという。その数は十数人。

釈放後は、親しい人間にもなぜ拘束されたのかという理由を語らずにいるため、何の容疑だったのかは不明のまま。当局から強く口止めされているようだ。

朝鮮族中国人拘束・釈放の意味

これだけ見ると、「中国政府が中国人を拘束していた」だけにすぎないが、彼らの拘束・釈放は、北朝鮮に対して何かしらのメッセージ、または新たな中朝合意の結果ではないかとみる向きもある。これを「中朝関係好転の兆し」と考えた関係筋もいたようだ。

時を同じくして2024年8月末、中国の旅行業界では「10月中・下旬には中朝国境が開放され、観光目的も含めた往来が正常化する」とのうわさが飛び交った。

そのため、旅行業界では、北朝鮮ツアーの再開に備えようとしていた。同時に、中朝友好年の象徴的なイベントとして、記念日である10月6日に国境全面開放を宣言するのでは、との情報も流れた。

ところが、この話さえも実現することなく消滅したことが確認された。何があったのか。

その理由の1つとして、中国政府が中国人の海外渡航の規制を強め、いわば鎖国を強化している動きにあるのではないかというものだ。

「国慶節(中国の建国記念日)連休直前の9月下旬になって、中国政府から『国慶節の海外渡航に注意せよ』という呼びかけが出されて、予約の多くがキャンセルになった」(山東省の旅行業者)

別の旅行業者へ話を聞いても、訪日ツアーの3、4割がキャンセルとなったという。他国向けも同様な傾向のようだ。

上記のような中国政府の通達は、「海外渡航すると不利益があるかもよ」という脅しに等しく、空気を敏感に読んだ中国人は、自分や家族への不利益を恐れてキャンセルした可能性が高いという。

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