東京メトロは1920年に民間会社の東京地下鉄道として創業した。その後、戦時体制下の1941年に「巨額の資金を必要とする新線建設を進めることは困難」(東京メトロの有価証券報告書)といった理由から政府が出資する営団となり、帝都高速度交通営団(営団地下鉄)が設立された。
営団地下鉄の民営化計画が始まったのは、国鉄などの民営化と同じく、1980年代のことだ。政府は1987年に営団の完全民営化を目指す方針を閣議決定した。
地下鉄網の整備が途上だったために具体的な動きはなかったが、2000年代に入ると半蔵門線の水天宮前―押上間が開業し、副都心線(和光市―渋谷間)の開業にもメドがついた。2004年に東京メトロとなり、株式上場、そして完全民営化への期待が大きくなった。
2006年には東京メトロ内に「株式上場準備室」が発足、内部体制の整備などが進められた。準備室の立ち上げメンバーの1人だった市川氏は、「社内には『(東京メトロ誕生から)3年で上場する』との機運があった」と振り返る。
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