「仕事ができない人」一発でわかる"2大NGワード" ダメ社員「なんとなく」の発言、あまりに多い訳

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つまり「掘り起こす」という言葉の定義を気にする発想がなく、その状態のまま「掘り起こす」という言葉を乱発して意味が通じ合っているフリをしていたのです。果たして彼らは実際に仕事において「掘り起こす」が実現できるのでしょうか。

このような場面は、ビジネスシーンでもよくあることだとは思います。しかし、いい大人がこのようなフリを平気でしてしまうことはとても恐ろしいことではないでしょうか。

「言葉の定義」が甘いと成果が出ない2つの理由

このような事例は枚挙にいとまがありません。ここで重要なのは、なぜ言葉の定義が甘い人は成果が出せないのかということです。理由は2つあります。

①そもそもスタートラインに立っていない

繰り返しですが、生産性をあげるためには、「生産性」という言葉の意味を正確に言語化できないといけません。すなわち、言語化はスタートラインなのです。スタートラインに立つこともできない人が、目指すゴールにたどり着くことなど100%ありません。

②思考停止している

ビジネスシーンには、とりあえず言っておけば(なんとなく)伝わった雰囲気になる便利な言葉がたくさんあります。そもそもその言葉の意味は何なのかを考えることなく、このような言葉を使ってしまいがちです。しかし裏を返せばこれは思考停止していることの揺るがない証です。

ですから、私は研修の現場において、参加者の発言の中に疑わしい言葉があった際には必ず質問をするようにしています。

「いまおっしゃった◯◯という言葉は、どういう意味でしょうか?」

この質問に対するリアクションだけで、成果を出せる人かが判断できます。しっかり自分の言葉で即答できない人には、その意図も含めて優しく(同時に厳しく)指摘をするようにしています。

この記事を読んでくださっている方の中には企業でマネジメント職をされている方もいらっしゃるでしょう。ぜひ所属しているメンバーの発する言葉に注意してください。そしてその言葉の意味が疑わしいときには、前述の質問をしてみてください。

私の教育哲学は「数学のように」仕事をするビジネスパーソンを育成することです。実は、今回のテーマであった「言葉の定義」も、まさに数学的な視点からその重要性を理解できます。

素数の研究をしたければ、まずは素数という数の定義がされていなければなりません。三角形の勉強をしたければ、まずは三角形という図形の定義が厳密にされていないと勉強を始めることができません。数学は言葉の定義が厳密にされていないとスタートできない世界なのです。私はそれと同じことをビジネスパーソンに求めています。

「数学のように」仕事をすることで、コスパやタイパが求められるこの時代に、合理的に、かつ最短距離で成果までたどり着く仕事の仕方が自然と身についていくのです。

深沢 真太郎 BMコンサルティング代表取締役、ビジネス数学教育家

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ふかさわ しんたろう / Shintaro Fukasawa

一般社団法人日本ビジネス数学協会代表理事。ビジネス数学を提唱する人材教育のプロフェショナル。公益財団法人日本数学検定協会主催「ビジネス数学検定」1級(AAA)は日本最上位。これまでに指導した人数は、延べ7000人。「ビジネス数学」の第一人者として確固たる地位を築く。企業研修のほか学生やプロスポーツ選手などの教育研修にも登壇。数学的な人材の育成に力を入れている。著書に『「仕事」に使える数学』(ダイヤモンド社)、『数学女子智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。』(日本実業出版社)など。2018年には小説家としてデビュー作『論理ガール』(実務教育出版)を上梓。

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