オリンパス粉飾をめぐり、新旧監査法人が泥仕合 あずさは共倒れ狙い
実際、行動にも表れている。「うちはすべて適切にやっていますから。何も心配いりません」。オリンパスが損失隠しを認めた11月8日、あずさは担当する各監査企業に即日説明に回った。監査法人の切り替えなど離反企業が出てくるのを防ぐためだ。
「あずさはうちとの共倒れを狙っている」。新日本幹部はあずさの“ロビー活動”をいぶかる。3大監査法人のうちの二つが厳しく責任を問われれば影響は甚大。当局の責任追及の手が必然的に緩むことになるからだ。
11月24日には企業統治に詳しい久保利英明弁護士が、12月8日にはオリンパスの調査を行った第三者委員会の甲斐中辰夫委員長が、それぞれ自民党の財務金融部会などによる合同会議で講演。「あずさばかりが悪いように言われているが、新日本にも同様の責任がある」(久保利弁護士)と断言した。関係者によると、新日本の責任に焦点を当てる発言が目立ったという。
久保利弁護士は08年まであずさの顧問弁護士を務めていた。甲斐中委員長は日本航空の経営破綻後に設立された調査委員会で委員を務め、一部の会計処理に関し新日本の監査に難を示した経緯があり、「新日本は甘い監査をすると刷り込まれている」と新日本幹部は顔色を曇らす。