韓国大統領が北朝鮮に発した強い軍事警告の意味 超大型「バンカーバスター」など最新強力装備を公開
玄武5型地対地ミサイルは、米韓による「3軸体系」の1つとされるものだ。3軸体系とは、核ミサイルによる脅威に対応する防御・反撃戦略のことで、①北朝鮮の核ミサイルを先制打撃する「キル・チェーン」、②北朝鮮が発射したミサイルを探知・迎撃するミサイル防衛システム、③弾道ミサイルを大量に発射して北朝鮮を攻撃する大量報復手段のことだ。
玄武5型はこのうち③に該当する兵器だ。この日公開された玄武5型は、9軸を持つ発射車両に搭載された形で移動し、発射管の長さは約20メートル。発射時には垂直に立てられた発射管から噴出して空中で点火する「コールド・ローンチ」の方式で発射される。
弾頭重量は最大8トンに達し、その破壊力は戦術核兵器に匹敵するとされる。韓国軍は有事の際、玄武5型を20~30発発射して北朝鮮の司令部などが隠れている平壌一帯を壊滅させる計画を立案している。玄武5型は地下100メートル以上を貫通する「バンカーバスター」と呼ばれる機能を持っている。
また、本来は短距離弾道ミサイルに分類されるが、弾頭重量を減らすと射程距離が3000~5500キロメートル以上となる中距離弾道ミサイル(IRBM)の性能を発揮するともされている。
あえて誇示した韓国軍の軍事力
B-1Bランサーはグアムのアメリカ軍基地から派遣された。同機種は2017年に北朝鮮が実施した6回目の核実験など戦略的な軍事挑発が生じれば、それに対応する出撃任務を担当してきた。北朝鮮の指揮部を打撃するために活用され、北朝鮮の金正恩総書記が最も恐れている武器とも言われている。
この日はさらに、「潜水艦ハンター」と呼ばれる海上哨戒機P-8Aポセイドンも初公開、前述した3軸体系の1つである長距離地対空ミサイル(L-SAM)やステルス戦闘機F-35Aも登場した。2023年の国軍の日には公開されなかった韓国製の超音速戦闘機KF-21も公開された。
2024年の今年は韓国軍創建76周年で節目の年ではない。しかし、今年の国軍の日で登場した装備や大統領が発した言葉には、北朝鮮への強い警告が込められたようだ。
韓国国防研究院のイ・ジュング研究委員は、「北朝鮮がこのところ戦術核能力を誇示し、11月に行われるアメリカ大統領選挙を狙ってさらなる挑発を行う可能性が高い。それに対抗し、韓国軍の抑止力が強力で確実なものであることを国内外にアピールする意図があった」と指摘する。
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