そして、今回は特別に「カワセミ」の車両点検の様子も見せてもらうことができた。車両は2編成あり、毎日交互に運転される。運転されない車両が点検中、というわけだ。
教えてくれたのは、コースターの整備担当、松本真和さんと吉川祐希さん。
「鉄のレールを3方向から車輪で挟み込んで走る仕組みで、点検では車輪の機構がスムーズに動くかといったことや、座席の安全装置がきちんとロックされるかなどのチェックをしています。点検ピットではレールの一部を外すことができるようになっています」(松本さん)
担当者が語る整備の裏側
一般的にローラーコースターは、最初に高いところまで引き上げたあとは、自然に落下するエネルギーだけで最後まで走り抜ける。車体側にモーターなどは一切使われていないのだ。そのため、構造はある意味でシンプル。レールを挟み込む車輪機構がいわば心臓部、ということになる。
「気温によって車輪のベアリングの状態が変わるため、真冬は真夏より運転時間が7秒長くかかります。なので季節によって抵抗を調整をしています。こればかりは経験値がものを言う仕事ですが、ピットで点検しながら、お客さまがワーワー、キャーキャー言って乗ってくれているのを見るとうれしいですね」(松本さん)
コースターは毎朝営業前に試運転をする。3度の試運転のうち、最後は自ら乗って確かめる。
「カワセミの場合は全体がよく見える一番後ろに乗って、何両目の振動が少し大きそうだとか、乗り心地を確認しています。毎日乗っていると自転車と変わらない感覚になりますよ」(吉川さん)
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