ユニクロができていない「基本中の基本」

セミオーダーシャツに大問題が隠れていた

そもそも店舗ごとに採寸方法が異なっているという事実をユニクロ本部が把握できているのか、という疑問もあります。採寸の不備で余計なクレームやトラブルを招く前に、全店舗へ正しい採寸方法を通達するのが望ましいでしょう。

クレームに苦しむのは現場だ

クレームに苦しむのは現場です。しかも若ければ若いほど、辛く苦しい思いを強いられます。大げさな話ではなく、そのクレームが発端で大好きなファッション業界が嫌いになってしまうかもしれません。お客当人にとっても、友人のような、あるいは子供のようなスタッフがせっかくにこやかに接客対応してくれたのに、最後の基本的なミスで大きなクレームを持ち出すのはイヤなものです。

そもそもワイシャツはジャストサイズで着るアイテムゆえに、単純に既存のSML展開の商品や、SMLサイズに少しばかりのサイズ展開を加えたものでは対応しきれないものです。今回のいかにも「かゆいところに手が届きます」と言わんばかりのサイズ展開は多くの人にとってジャストサイズと出会えるありがたい企画といえます。

「きれいめシャツ」の品質は高いだけに…

それに、もともとユニクロのワイシャツには定評があります。ボタンダウンシャツにおいては世界的に名高い外資系のRLブランドの技術者が引き抜かれたと、もっぱらの評判でした。筆者は今回、実際にこの「きれいめシャツ」をユニクロのオンラインストアで2着購入しました。たとえ段ボール箱の梱包とはいえ、自分でオーダーしたのかと思うと、開梱もワクワクしたものです。

期待以上なのが、その生地のタッチや光沢などの素材感です。オーダーワイシャツも生地が上質すぎると、家庭洗濯の回数には耐えられなかったりします。その点、このセミオーダーワイシャツは、はっきり言って丈夫と言っても良いでしょう。おそらくプライスタグとブランドタグを外したならば、少なくとも2990円というプライスには十分すぎる満足感を得られる商品です。

今回の国内での試みの成功が、海外拡大戦略によって世界ナンバーワン企業を標榜する同社にとっては、従来のサイズ対応では足りなくなってしまっている大きいサイズ対応への布石ともいえます(もっとも近年では、国内においてもLサイズを普通サイズにしてほしいという中年男性も増えているのが現状ですが)。

このようなデータを集積することで、最低ロットが1品番=100万着といわれる同社の物作りのムダやムラを大幅に減少させることが可能になります。この場合でいえば最低ロット数を大幅に上げることも可能になるということです。それだけに、「基本中の基本」が店舗スタッフに行き届いていないのは、ユニクロには放置できない問題なのです。

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復活の日比谷、すごいOBネットワークを持つ開成・灘…。名門と呼ばれるのには「ワケ」がある。歴史、校風、進学実績、そして人脈。北海道から沖縄まで全国の高校を徹底研究。