中国の自動車ディーラー「半数超が赤字」の泥沼 「逆ザヤ」販売が常態化、奨励金めぐり確執も

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だが、ディーラーは値引きの痛みに見合ったリターンを得られていない。中国汽車流通協会の調査によれば、2024年上半期の販売目標を達成(して満額のインセンティブを獲得)したディーラーは全体の3割弱にとどまり、目標達成率が70%未満のディーラーが全体の3分の1を占めた。

販売価格と仕入れ価格の逆ザヤは高級車ほど大きい傾向がある。写真は国有大手の中国第一汽車集団が展開する「紅旗」ブランドの高級車(同社ウェブサイトより)

販売業者の損益に関しては、半数超の50.8%が赤字だった。収益構造の内訳を見ると、新車販売の粗利益率は26.5%のマイナスに落ち込み、アフターサービスや自動車ローン、自動車保険などの収益に頼っている状況だ。

高級車ほど逆ザヤ大きく

こうした苦況の要因について中国汽車流通協会は、自動車メーカーが要求する(実需に対して)現実離れした販売目標が、流通在庫の膨張とディーラーの資金繰り悪化を招き、(インセンティブと運転資金を確保するための)赤字販売を余儀なくさせたと分析している。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

新車の販売価格と仕入れ価格の逆ザヤは、(高額消費の冷え込みが販売を直撃している)高級車ほど大きい傾向がある。ある高級車ディーラーの元営業マンは財新記者の取材に対し、車両1台当たりの逆ザヤが数万元(1元=約20.4円)に達することもあると明かした。

中国の個人消費の弱さが短期的に改善する見通しはない。中国汽車流通協会の調査によれば、一部のディーラーは2024年の通期の販売台数が2023年の実績を割り込むと、弱気の予想を示した。

(財新記者:余聡)
※本文の配信は8月22日

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