金融支援終了のアイフル、利息返還なお重荷 新規融資で3位浮上だが、傷んだ収益力の回復は途上
消費者金融専業大手のアイフルは8月25日、取引金融機関から返済猶予(リスケジュール)を受けていた借入金527億円を、同額の長短借入金の借り換えによって完済し、金融支援状態から抜け出した。アイフルは昨年7月の事業再生ADR手続き終了後も金融機関からの支援を受けてきたが、今回の債務借り換えにより他社と比べて周回遅れだった再建が大きく前進する。
これまでの再建計画では、借り換えの対象となったリスケジュール対象債務は、2020年3月末までの各年度の3月末と9月末に残高の5%相当を弁済していくことになっていた。それを今回、一括弁済したうえで同じ額を借り入れた。金利水準は年利2%程度で大きくは変わらない一方、今後は個々の契約で定められた期日に従って返済していく。
新たな資金調達も可能に
そうしたことから同社は「連結業績に与える影響は軽微」としているが、プラス効果が見込まれる。最大のメリットは「金融支援対象でなくなることにより、業容拡大のための新たな資金調達をしやすくなる」(アイフル)という点だ。個々の金融機関の対応に委ねられるものの、金融支援対象から外れることで債務者区分の引き上げが期待できる。第2四半期決算で、「継続企業の前提に関する重要事象」の記述が外れるかどうかが次の焦点になる。
アイフルが金融支援から抜け出せたのは、本業の回復が鮮明になってきたためだ。積極的なウェブ広告など販促策が奏功して、第1四半期(4~6月)の新規成約件数は前年同期比23%の約4万4200件に増加した。同順位でも、アコム、プロミス(SMBCコンシューマーファイナンスが運営)、レイク(新生銀行が運営)を含む大手4社のうちで、レイクを抜いて3位に浮上した。第1四半期には、連結営業収益でも9年ぶりに反転増に転じた。
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