平和がゴルフ場を買収へ、パチンコと相乗効果は?
パチンコ機器メーカー大手の平和は、米系ファンドのローンスターの実質傘下でゴルフ場運営を手掛けるPGMホールディングスに対しTOB(株式公開買い付け)を実施、年内にも連結子会社化する。
平和が畑違いのゴルフ場運営に乗り出すのは、宿願だった「総合レジャー産業」へ脱皮するためだ。主力のパチンコ・パチスロ機器事業に長期的に縮小懸念があるほか、ヒット機種の有無によって業績が大きく変動する。かねてから次の柱となる新事業を模索していた。
そこへPGM株の6割を保有するローンスター側から株式売却が持ちかけられたとみられ、今年5月に協議を開始。9月には条件面での折り合いがつき、今回の友好的なTOBにつながった。
普通株式の買い付け価格は1株5万2000円で、買い付け総額は最大(PGMの全株式)で約649億円に上る。TOBが成立し、PGMが平和の連結子会社になると、単純計算で、平和の連結業績は売上高が約1600億円へ倍増、営業利益も1・6倍以上に膨らむ。
ただ、それ以上に相乗効果が見込めるかどうかは不透明だ。実は平和は1994年にもゴルフ場会社を買収したが、毎期損失を計上し、99年に撤退した苦い経験を持つ。そのときに、ゴルフ場運営が「規模のビジネス」との教訓を得た。今回120のゴルフ場を保有するPGMの買収によって、捲土重来を期す考えだ。