桜木先生は、「東大に入るという明確な目的がある」「何を見ても何を聞いても刺激と発見があるはずなんだ」と言っていますね。この言葉のとおり、目的意識があると、やる気がでてくるものです。
漫画でも「東大に行く」という目的を明確にすることで、生徒のやる気が鼓舞されていました。
目的がないと、勉強する意味もわからず、ただやりたくないことをやらされるだけになってしまいます。
そもそもなぜ子どもは勉強をしないのか、ということを考えてみましょう。子どもが勉強に対してやる気を持てないのは、「やる意味がわからない」というのがいちばんよくある理由です。
算数を勉強していても「なんでこんな計算なんかしなきゃなんないの?」と考え、古文を学んでいると「なんで昔の言葉を覚えなきゃいけないの?」と考えてしまう。そうすると集中できなくなってしまいますよね。
ここで難しいのは、勉強する意味は、勉強してからしかわからないということです。
日ごろ勉強をあまりしていない子どもに「勉強って楽しいんだよ」と言っても、伝わり切らないのです。
東大は「ちょうどいい」目的だ
これは勉強以外にも、同じことが言えると思います。どんな物事も、最初は別に楽しくないんですよね。続けないと、「楽しい」と感じるラインまではいかない。野球やサッカーなどの運動でも、走り込みが楽しいという人や、体力作りのための筋トレが面白いという人はあまりいないでしょう。
古文に関しても、古文単語を覚えて、古典文法を理解するところに楽しさを見いだすのは難しいですが、文章を読めるようになって「うわ、源氏物語って面白いんだな!」と思えるようになったら「楽しい」「やってよかった」と感じられるようになります。学んだ後にしか楽しさがわからないから、「勉強しよう」という気になれないのです。
そうであれば、勉強する目的を明確にしてあげる必要があります。「東大」というのはその点において、「ちょうどいい」目的です。
高い目標ではあるものの、多くの人にとっては「数学オリンピックがんばろう!」よりも、知名度があり、「頭がよくなろう!」よりも具体的で、目標にしやすいはずです。
小学生や中学生にとっては「まだまだ先」の話だからこそ、「今からガチでやればもしかしたらいけるんじゃないか」という気になれます。高校生であれば大学受験が近づいてきているからこそ、リアリティーを持って「受験が近づいてきているし、頑張らないと」という気持ちにもなります。
野球をやっている生徒が甲子園を意識するように、勉強面でも子どもに「東大に行こう!」と言えばいいのです。きっとその言葉は勉強に前のめりになるきっかけになるはずです。
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