1台売って4000ドル赤字を出すテスラの苦悩 GAAPでは1台当たり1万4758ドルの赤字
テスラの株価は依然として2年前に比べておよそ70%高く、1月1日のレベルに比べても8%高い。時価総額310億ドルに上るテスラは、ラムのピックアップトラックやジープのグランドチェロキーのメーカーであり、テスラよりはるかに規模が大きいフィアット・クライスラー・オートモービルズよりも価値が高いのだ。
「現在、テスラがさかんに現金を消費していることやこれからも投資を行う必要があることを考えると、いずれかの時点でテスラが資金調達を行う可能性は非常に高い」と、テスラ株を売り推奨しているUBS証券のアナリスト、コリン・ランガンは語っている。
GAAPだと1台当たり赤字は1万4758ドル
マスクはテスラの窮地を救った実績がある。2012年9月、テスラは資金繰りが逼迫したが、自社株を売り、連邦政府貸付金の返済条件の変更を交渉することにより、資金調達に成功した。モデルSの生産は2012年の半ばに始まっている。
テスラは売り上げを伸ばし、消費者がテスラ車に支払う金額を増やすための対策を講じた。モデルSの低価格バージョンを追加したほか、7月には、5000ドルでモデルS 85および85 Dの性能のアップグレードを行うことを発表し、従来モデルの価格に1万ドル上乗せした高性能車モデルS 90DとP90Dを発売した。
テスラはデトロイトの自動車メーカーと異なる方法で決算報告を行っている。GMやフォードが採用している一般に認められている会計原則であるGAAPに従うと、テスラの自動車1台当たりの営業損失は、2014年第2四半期の3794ドルから今年の第2四半期の1万4758ドルまで一貫して増加したことになる。
しかし、テスラは、投資家に対する決算報告で、同社のGAAP会計では、顧客にリースしたモデルSセダンによって得られた特定の売上高と利益を除外していると指摘している。テスラによれば、第2四半期にモデルSのリースで得られた繰延売上総利益は6190万ドルに上った。アナリストは、テスラの数字を他の自動車メーカーが使用している決算報告の数字と比較しやすくするために、繰延利益を戻し入れて比較すべきと言っている。
執筆: ジョセフ・ホワイト、ポール・リーナート 追記: ポール・リーナート、ジョセフ・ホワイト 編集: ジョセフ・ホワイト、ジョン・ピッカリング
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