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TGV施設破壊で混乱、パリ五輪の「鉄道輸送」事情 地下鉄は運賃2倍に、市民はどうしている?

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ただ、運賃値上げについて市民への配慮はあるものの、交通規制や駅の閉鎖などで生活への支障は避けられない。

パリ市内中心部では、五輪開催のため大規模な交通規制が敷かれている。とくに広い範囲で通行禁止となっているのは、コンコルド広場周辺だ。ここでは自転車BMX、スケートボードなどの競技が行われている。広場だけでなく周りを走る一般道路までを取り込んで競技会場や観覧席を設置した。目抜き通り「シャンゼリゼ」も競技実施の都合で、南東側の一部は全面通行禁止となった。

BMXやスケートボードなどの競技が行われるコンコルド広場周辺は大規模な交通規制が行われ、周辺道路は通行禁止になっている(写真:m_sports_suki)
通行禁止となったコンコルド広場付近の道路。広場直下の地下鉄駅も臨時閉鎖されている(写真:m_sports_suki)

コンコルド広場周辺は道路だけでなく、直下のメトロ駅が臨時閉鎖され、乗り換えもできなくなっているほか、周辺の駅も併せて閉鎖されている。メトロ駅閉鎖や周辺道路規制の措置は、開会式の式典会場として使われたエッフェル塔に近いトロカデロ周辺でも同様の措置が行われている。

エッフェル塔に程近いエリアに住む知人は、「テロ事件が起こるとしたら、この辺かもしれない」と真顔で話し、「道路は規制、地下鉄駅は閉鎖。生活するのに支障もあるので、さっさとバカンスに行く。隣人も皆そんな感じ」と言い、7月上旬にはすでにパリを後にしている。

鉄道網混乱は早期復旧

観戦客によれば、競技の終了後は帰路に就く観戦客が駅に殺到。すさまじい混雑に巻き込まれてしばらく駅に入場できないなど、最後まで観戦していると会場エリアから逃れるのに一苦労だという。

日本代表が最終盤で大逆転しブラジルに勝った女子サッカーの試合を観に行っていた日本人女性は「駅が混み合うと思って、後半40分過ぎにスタンドから離れた。劇的シーンが見られなかったのは一生の不覚」と嘆き悲しんでいた。

開会式当日朝に起きた同時攻撃による損傷箇所は、鉄道員らの努力もあって、発生後およそ2日半後にはほぼ原状復帰ができた。一方で、フランス国内では携帯電話会社の施設が壊される被害が頻発しているという。

各国の五輪選手団をサポートしていることを示すシャツを着たユーロスターのスタッフ(筆者撮影)

パリ五輪の組織委や地元自治体は順調な大会運営を目指して、努力を続けてきた。パリ五輪・パラリンピックが交通機関はもとより、あらゆる面においてトラブルなく進み、さらなる混乱が起きないことを強く願っている。

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