ソーシャルメディアマーケティング最前線《上》--進むソーシャルメディアマーケティング
企業のYouTube活用パターン
ユーチューブの特長は、当然ながら、誰でも動画の配信ができることです。プラットフォームの性質上、動画を介したブランド認知(投稿型キャンペーンなど)やブランド理解(自社サイト開設など)に最も効果を発揮するといえます。
■ブランド認知(投稿型キャンペーン)における活用事例:ロッテ「Fit’s ダンスコンテスト」
国内のユーチューブマーケティングの成功事例として、最も有名なのは「Fit's」のダンスコンテストキャンペーンでしょう。これはYouTube上でユーザーによるダンスの投稿を募り、再生回数ランキングを競うコンテスト型のキャンペーンです。
ロッテでは、「ガム離れ」の進む若年層をターゲットにガムの興味喚起を図ることを目的に、 「Fit’s」のコミュニケーション戦略を組みました。「仲間とゆるくつながっていたい」という若者の心理をつく形で、商品自体の訴求ではなく、「ゆるい」歌とダンスを流行らせ、間接的にガム市場全体の底上げを目指しました。
キャンペーンサイトでは、CMの楽曲ダウンロードができるほか、ダンスレクチャームービー、振り付け説明図、ダンスのサンプル動画などが提供され、それを参考にしてユーザーが応募しやすい仕組み作りが整えられていました。加えて、歌とダンスがソーシャルメディアでの情報拡散を促進し、総再生回数2100万回以上に上りました。これは企業のスポンサーチャンネルとして全世界1位の記録となっています。
■ブランド理解(自社サイト)における活用事例:Boone Oakley
Boone Oakleyは米国ノースカロライナ州の広告代理店です。この会社の公式ホームページはユーチューブ(http://www.youtube.com/watch?v=Elo7WeIydh8)に用意されています。動画を再生すると、4つのメニューがあらわれ、それをクリックすると対象のコンテンツページに遷移します。第2階層以下もYouTube上に用意されています。この仕組み自体がクリエイティブで、広告業界の専門メディアやブログなどにも多く紹介され、企業ブランディングに貢献した事例といえます。