【産業天気図・工作機械】ユーロ高で外需絶好調。下期に自動車向けも息吹き返すか

5月の工作機械の受注は前年同月比15%増となった。比較する2005年5月の受注が前年比ほぼ横ばいだった点はあるにせよ、これで受注は44カ月連続して前年を上回った。「工作機械のブームは3年続かない」という長年のジンクスは、木っ端微塵に吹き飛んだ。
 最大の要因は外需の好調だ。06年1~5月の累計を見ると、内需は前年比微減(0.1%減)なのに対して外需は15%増。日本企業の海外投資が活発なことに加え、ユーロ高でライバルの欧州メーカーの競争力が揺らいでいることもプラスした。
 内需も、これまで受注を牽引してきた自動車向けは25%減(1~5月累計)と、さすがにブレーキがかかったが、代わりにデジタル家電・IT向けが30%増、造船・航空機向けが同じく30%増と元気溌剌。得意先の“ローテーション”がうまく効いている。
 今年度上期は、この延長線上にある。日銀の利上げが不透明になったこともあり、円安/ユーロ高の継続から外需の好調は持続しそう。下期の焦点は、いったん減速した自動車向けの動向だが、これについては「トヨタはこれまで増強した設備の“改善”に集中するため上期は一服したが、下期は再び投資に向かう」(業界中堅)との見方が有力。増産に追われる造船・航空機向けの受注も当分、衰えそうにない。
 前期に経常利益が6倍になった日平トヤマ<6130.東証>は今期30%の経常減益を見込み、同じく前期20%の経常増益のファナック<6954.東証>は今期2%の経常減益予想と慎重。だが、ともに自動車業界の投資動向次第で増額修正の可能性をはらんでいる。
【梅沢正邦記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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