人生のやり直しにかかる時間「平均5年」は短い? 225人の「人生の岐路」を調べてわかったこと

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プロセス全体を考えるだけでも気が滅入ってしまうと感じるのは、あなた1人ではない。しかしこの調査結果を改めて見直せば、私たちの多くが「長い別れ」を大きな困難を伴う行為と考えており、その場合、次に遭遇する事態はさらに困難の度合いが高まるという事実に突き当たる。

朗報があるとすれば、私たちのほとんどが、初めからやり直すのは比較的簡単だと感じていることだろう。

人生の移行は思ったより時間がかかる

そしてもうひとつの驚きは、人生の移行は思ったよりも時間がかかることだろう。

私は、どの段階が最も難しかったかという質問に続けて、移行にはどの程度の時間がかかったか尋ねた。答えに一貫性は見られたが、私が期待した答えにはほど遠かった。

両極端な回答をした人は少なく、例えば最小値の「1年以内」と答えたのが全体の8パーセントであるのに対し、最大値となる「いまだ継続中」は9パーセントだった。5人に1人が、移行には「2年から3年」かかったと答え、一方で同じ割合の人たちが「6年から9年」と答えた。

しかし回答人数が最も多く、さらに数値も平均的だったのは「4年から5年」だった。

これらのデータは、多少正確さに欠けると言わざるを得ない。私がインタビューした人のなかには、最初に生じた混乱から5年経過していない者もいたし、「いまだ継続中」と答えた人のなかには、「人生そのものがひとつの長い変遷である」と信じているが故にそう答えた人もいれば、その一方で現実に終わりを迎えていないからそう答えた人もいた。

とはいえ、こうしたやりとりから伝えられる、より大きなメッセージまで否定はできないだろう。

移行の継続期間は、およそ5年なのだ。

私が最初に得た印象は、いや、この数値はちょっと大変だ! だった。愛する人が人生の大きな変化に遭遇したばかりのときに、「心配しなくても大丈夫、5年のうちにはすべて片が付くよ」などとは、なかなか言えるものではない。ところがあれこれと考えを巡らすうち、これらの数値の裏に、別のメッセージが見え隠れし始めたのである。

第一に、人生の移行に関する議論が十分に行われていないため、私たちの多くがその意味するところを理解しておらず、従って十分な備えができていない。

誰の目にも明らかなのは、私が話を聞いた数百人のうちの4分の3の人が、人生の移行に4年、あるいはそれ以上の時間がかかったと述べた事実である。彼らの多くが、自分たちだけが異常に時間がかかったのではないかと思い込み、申し訳なさそうにその数値を口にした。逆もまた然りだった。

そして彼らは、同じ回答をした人たちがたくさんいることを知ると、ほっとした様子を示した。

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