踊るハリス氏がバズって大統領選は形勢リセット 若者やマイノリティに活気、民主党「異例の団結」

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現状、大統領選で大接戦が予想されるラストベルト地域でハリス氏の知名度は低い。特に共和党は、ハリス氏が正式に党指名候補となるまでの空白期間、ハリス氏のイメージを固めようとハリス氏を批判。一方、ハリス陣営もSNSやメディア、遊説などを通じ、共和党より先にイメージ固めを急いでいる。

どちらがハリス氏のイメージを固めることができるかは選挙戦に大きく影響するであろう。

大統領選の勝敗は、最終的にはどちらの候補の問題に国民がより注目するかと言われている。大統領選の最大の焦点が民主党ではなく、共和党・トランプ氏の問題となればハリス氏にも勝ち目がある。逆であればトランプ氏に勝ち目がある。

残り100日、今後数週間がカギを握る

今日、民主党はハリス氏の指名によって、選挙戦はリセットされた。

バイデン氏撤退前の仮想対決の世論調査では、トランプ氏がハリス氏を支持率で上まっていた。だが、バイデン氏撤退後はまだ誤差範囲内ではあるものの、ハリス氏がトランプ氏をリードしている世論調査結果も公表されている。

トランプ氏は現在の高支持率を維持できるかもしれないが、ピークを早く迎え過ぎているかもしれない。そのため、今後の世論調査を注視する必要があろう。

バイデン氏撤退の是非で分裂していた民主党は大統領選の行方に絶望的であったのが、民主党は勢いを増している。しかし、大統領選まで残りわずか約100日しかない。

現在、反トランプ感情を追い風に民主党は前例にない程、団結が見られる。優勢なトランプ氏に対し、民主党は若年層や女性、マイノリティを中心とする「カマラ連合」で短期間に形勢を逆転することができるか、今後数週間が注目だ。

渡辺 亮司 米州住友商事会社ワシントン事務所 調査部長

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わたなべ りょうじ / Ryoji Watanabe

慶応義塾大学(総合政策学部)卒業。ハーバード大学ケネディ行政大学院(行政学修士)修了。同大学院卒業時にLucius N. Littauerフェロー賞受賞。松下電器産業(現パナソニック)CIS中近東アフリカ本部、日本貿易振興機構(JETRO)海外調査部、政治リスク調査会社ユーラシア・グループを経て、2013年より米州住友商事会社。2020年より同社ワシントン事務所調査部長。研究・専門分野はアメリカおよび中南米諸国の政治経済情勢、通商政策など。産業動向も調査。著書に『米国通商政策リスクと対米投資・貿易』(共著、文眞堂)。

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