乳がん治療用核酸医薬、「世界初承認」への道

国立がん研が医師主導治験1相を開始

産官学連携で開発。がん研究所の落谷孝広博士(右)とスリー・ディー・マトリックスの永野恵嗣会長(左)

前臨床試験で行われた動物試験の中で、特に大型犬に多い自然発症の乳がんがTDM-812の局所投与で治療抵抗性の解除と腫瘍細胞のアポトーシス(細胞死)が見られたという報告がある。ヒトで同様の効果があるかどうかは今後治験の中での確認が必要になる。今回の治験では「安全性に主眼を置くため核酸製剤の単独での局所投与となるが、将来的には抗がん剤との併用での全身投与を目指している」(落谷博士)という。

医師主導治験1相はがん研中央病院の田村研治乳腺・腫瘍内科長を中心に実施している。予定登録症例数は30例程度とし、2017年末には終了。その後、2相以降は企業治験に移行するかどうかを検討するという。肺がん対象の局所投与や、乳がん、大腸がんの全身投与などへの適応拡大も視野に入れる。

「これまで、がん治療薬としての核酸医薬は、DDS(Drug Delivery System、薬物を必要な部分に届ける仕組み)に決め手がなかった」とスリー・ディー・マトリックスの永野恵嗣会長は言う。それを、日本の産官学連携で純国産技術で解決した。世界初の核酸によるがん治療薬として、TDM-812に寄せる期待は大きい。

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