総裁選で岸田首相の苦戦は必至。自民党の歴史の中で、再選をめざして総裁選に立候補した首相・総裁が敗れたのは、1978年の福田赳夫首相ただ1人だ。
このときは一般党員参加で実施され、福田氏に挑んだ大平正芳幹事長が党員投票で圧勝。「党員投票という天の声の判断に従う」と公言していた福田氏は「天の声にも変な声がある」という名セリフを残して国会議員による本選を辞退、首相・総裁を辞任した。
自民党は「刷新感」をアピール?
岸田首相は総裁選出馬を強行して福田氏の二の舞になるのか、それとも「勝機なし」と判断して出馬を見送るのか。
総裁選告示前の8月中には判断が迫られる。裏金事件で指導力を発揮できず、解散・総選挙による政局の転換にも踏み切れないまま麻生氏を頼る。そんな岸田氏を待ち受けるのは、哀れな末路だ。
総裁選で自民党は「刷新感」を懸命にアピールするだろう。しかし、一連の裏金事件で見せた旧態依然の体質を抜本的に改められる可能性は低い。経済政策や少子化対策などでも行き詰まる自民党に最終的な評価を下すのは、年内にも予想される総選挙での民意である。
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