ホンダ社長が語る「2040年脱エンジン」の行程表 ホンダならではの魅力的なBEVを実現できるか
「スポーツ的なところもきちんとやろうと思っていますよ。当然バッテリーEVで。2026年の初めあたりに出る小さなやつは、いいですよ」(青山)
これは上記の小型乗用BEVのことだろう。BEVの走りの楽しさというと、電気モーターならではの制御の緻密さを活かしたものも考えられるが、これは昔ながらのクルマとの一体感を重視しているという。
こんなヒントもあった。
「BEVでも昔のCR-Xみたいな軽快な感覚のもので、かと言って航続距離は200kmしかありませんというのではなく、500km走れるようなのが作れたら、特徴が出せるし、一群の中で違う戦い方ができるんじゃないかと思うんです」(三部)
1980年代に一世を風靡したライトウェイトスポーツ「CR-X」のようなBEV。想像しただけで期待が高まる。バッテリー搭載量を減らして、車重を軽くしたいという三部社長のBEVに対する考えが、ストレートに反映されたクルマ。ホンダらしさがにじみ出る存在になりそうだ。
スポーツカーはアキュラ?
「サスペンションもブレーキも、昔はハードで一生懸命すり合わせて作ってきた物がみんな電気で動かせるようになりました。そのすべてをコントロールする上では、ユニットごとの制御ではなく統合制御になります。そうしてクルマが知能を持って、どういう走行状態を作るのかで他社と差別化できます。できるんですが、走りの次元がものすごく上がっていて、今スポーツカーを一生懸命開発していますけども、加速は気を失いそうだしコーナーもタイヤの限界まで曲がれちゃう。これを一般のクルマでどこまでやるのか……。まだ見えてないんですが、こうした部分はホンダではなく、アキュラでこだわってやるのかなと思っています」(三部)
ただし、その前段階としてHEVが非常に重要な存在になる。今回の発表には、2モーターハイブリッドシステムであるe:HEVの軽量・高効率化、後輪を電気モーターで駆動するE-AWDの採用などが謳われた。
「JAPAN MOBILITY SHOW 2023でお見せしたプレリュード。あれはいいですよ。それも含めて2026年頃には、日本市場にBEVもe:HEVも面白いクルマが出てくると思います」(青山)
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