「ジャーナリズムの原則」は読者にとっても重要だ 『ジャーナリストの条件』など書評4点

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ブックレビュー『今週の4冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『ジャーナリストの条件 時代を超える10の原則』

・『ザ・スタートアップ ネット起業!あのバカにやらせてみよう』

・『森と算盤(そろばん) 地球と資本主義の未来地図』

・『東洋医学はなぜ効くのか ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム』

『ジャーナリストの条件 時代を超える10の原則』ビル・コバッチ、トム・ローゼンスティール 著
『ジャーナリストの条件 時代を超える10の原則』ビル・コバッチ、トム・ローゼンスティール 著/澤 康臣 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・ジャーナリスト 会田弘継

ジャーナリズムに直接関わらずとも、自由と民主主義について考える人々に広く読まれてほしい本である。今日の米国のジャーナリズムと民主主義が機能不全に陥っているのは明らかだ。事態が率直に描かれる。ジャーナリズムの復権と復活を通してしか自由と民主主義の復興はありえないことが、本書で理解できるはずだ。

読者、視聴者にとっても重要なジャーナリズムの原則を示す

求められる原則は10だけである。うち最初の5カ条こそ大切で、そこに本書の7割が割かれるのも当然だ。真実の追究、市民への忠誠、事実確認の規律、取材対象からの独立、権力の監視、である。ジャーナリズムに携わる者、日々メディアに接する読者・視聴者はこれらをつねに思い起こすべきだろう。

経営と報道の分離とか、中立・公正性という原則はなく、それらは神話として退けられる。メディアの経営に関わる者はジャーナリズムと分離するのではなく、その価値観を深く理解し信奉していなければならない。双方の意見を同数並べれば公正中立な報道だという考え方は、真実追究のジャーナリズムとは無縁だ。

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