鉄道旅の愉しみ「駅そば」名店に聞く味のこだわり 三島駅の「桃中軒」と我孫子駅の「弥生軒」

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汁は濃くて少し甘い。コロッケを浸し、汁気を吸いこんだところで、そばと一緒に味わう。サクサク感を堪能したいのなら、コロッケを別皿にして提供してくれるので、好みの食べ方が可能である。

この桃中軒、公式ホームページを確認すると、ルーツは1891(明治24)年。「創業当初は、沼津駅の構内でお弁当の販売を始めたことによる」と書かれているが、三島駅で、あのおいしい「駅そば」が誕生したのは、どのような経緯があったのか?

人気メニューは?

直接、桃中軒に聞いてみることにした。対応してくれたのは本社企画部。

――サクッとあげたコロッケそばがとにかくおいしいのだが、他の人気メニューは?

「コロッケのおそばがやっぱり人気メニューです。お店によっていろいろですが、三島店はフライヤーもあるので、揚げたての天ぷらも人気。きつねや山菜なども人気です。コロッケ以外だと、桜エビのかき揚げが1番人気です」

――駅そばを始めたきっかけは?

「130年前に創業した時には、簡単な駅弁を出していたと思います。駅弁の販売が長く続いて、大正ぐらいに入ってから、そばも出していたのかな?とは思いますが、詳しい資料がないので、具体的にはわかりません。結構前からそばもやっていたと思います。沼津駅は機関車の付け替えなどをする沼津機関区があった場所なので、待ち時間が長くあって、そばもよく売れたそうです。ほかにも近所の方とかも利用されていたと思います。蒸気機関車が普通の電車になっても、そばを求める方が長く続いたという話です」

――駅以外でも桃中軒のそばを食べることはできる?

「サッカーのJリーグでホーム戦の試合があるときに、愛鷹広域公園に『アスルキッチン』という出店があり、そこで食べられます。そのときは、地元の業者さんもかなり出店して、いろいろな地元の素材を使った飲食が出るので、当社もそこでそばを提供しています。さすがにコロッケを揚げることはできませんが、そばはその場で作るので、寒い時期にはかなり人気です」

桃中軒の「みしまコロッケそば」(筆者撮影)
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