ホンダ八郷社長が示した「方針転換」の波紋

系列部品メーカーに不安や戸惑いの声も

4月にモデルチェンジしたステップワゴンの販売は堅調(撮影:梅谷秀司)

前期33億円の大幅赤字となった丸順は、埼玉工場を閉鎖し、全社員の3分の1以上にあたる200人程度の希望退職を募る。ホンダが「フィット」の生産を三重県の鈴鹿製作所から埼玉県の寄居工場に移したことに伴い埼玉工場を新設したが、ホンダの減産で採算が見込めなくなった。

ホンダは世界販売600万台を目指す中で、グローバルサプライヤーからの調達を大幅に増やす方針に転換。系列を含めた既存メーカーにも、グローバルサプライヤーと競える開発力やコスト競争力、世界での供給能力が求められるようになった。

ホンダと取引がある独立系部品メーカーの社長は「ホンダからは、価格も大事だが、新提案がないと採用しませんよと言われている」と明かす。

系列部品メーカーが他社との取引拡大

ホンダ系部品メーカー社長は、「今は他社と同じことをしていると存在意義がなくなる。ホンダの販売低迷で、自分達の売上げが減るのは困るので、自社の強みを他社との取引拡大に活かしている」と話す。

実際、系列部品メーカーの中にはここ数年、欧米や中国の完成車メーカーから新規の受注を獲得したところもあり、ホンダの購買戦略の変化は、系列企業の自立を促す形になっている。一方で、系列の間には、技術力や生産規模など体力の差がつき始めている。

別のホンダ系部品メーカー幹部は「ホンダは、好調で利益が出ている会社とじり貧で苦しい会社の両方を抱えている。グローバルサプライヤーの活用も掲げていて、ホンダグループ全体を今後どうしていくのが何も見えない」と不安な心情を吐露する。

八郷社長は「系列メーカーともグローバルサプライヤーとも、対等にお付き合いしていくことに変わりない」と述べたが、具体的な青写真は見えないままだ。購買や生産部門のキャリアも持つ八郷社長には、ホンダのみならず、グループ全体での経営の手腕が注目される。

 

自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 男性学・田中俊之のお悩み相談室
  • 最新の週刊東洋経済
  • おカネと人生の相談室
  • 離婚のリアル
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
地方反撃 <br>「稼ぐ街」は何が違うのか

政府が地方創生を掲げてから4年半。地方の人口減は止まらず、地方経済は衰退している。地方創生には何が必要か?地域活性化に成功している街を徹底的に分析、再生のための具体的な処方箋を探る。自治体や街づくりの関係者にはアイデア満載の特集。