ホンダ八郷社長が示した「方針転換」の波紋 系列部品メーカーに不安や戸惑いの声も

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商品力を強化して、工場の稼働率を引き上げていくことが八郷隆弘社長の課題となる(撮影:尾形文繁)

「お客様視点で、販売台数よりホンダらしい商品づくりを最優先に取り組む」

7月6日、ホンダの八郷隆弘社長は、6月の就任後、初めて記者会見を行い、伊東孝紳前社長の「拡大路線」からの転換を明確にした。

伊東前社長は2012年に発表した中期経営計画で、4輪について、2016年度に当時の1.5倍である600万台以上を全世界で販売するとした。

前期は3期ぶり営業減益

しかし、販売力が追いつかず、伊東体制の後半では、品質問題の混乱が輪をかける。2013年後半に発売した主力車種の「フィット」や「ヴェゼル」でリコールが頻発し、タカタ製のエアバッグ問題の対応にも追われた。2014年度の販売台数は436万台にとどまり、営業利益と純利益が3期ぶりの減益になった。

記者会見で八郷社長は、伊東前社長が構築した、日本、中国、北米など主要6地域が独自に開発、購買、生産、販売を行う「世界6極体制の進化」を課題の一つにあげた。

多くの拠点が工場を作ってきた結果、計画分を含めると、全世界の生産能力は2015年末に565万台、2016年末に583万台に達する見通しだ。一方で2015年度の販売計画は、約472万台。実に約100万台の生産能力が過剰となっている。

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