「アジフライには、一般的なものより一回り大きなアジを使っており、かなり原価率の高い商品です。採算を考えると単品での販売が難しく、他のメニューと一緒に注文いただく形で、何とか販売にこぎつけました」
アジの大きさだけでなく、スープバーと野菜が付いているコスパのよさが魅力のアジフライ・ごはんセット。当初から爆売れしたのかと思いきや、苦戦が続いたと福島さんは振り返ります。
そこで「よりインパクトとお値打ち感を出すため」(福島さん)、発売から4カ月少々の2023年12月に、もともと1枚だったアジフライを2枚へ増量。にもかかわらず、価格は据え置きにしたというから驚きです。福島さんは笑いながら「通常では販売できないような値段だからこそ、注文していただける部分もあると思います。周囲からは『安すぎる』とよくいわれますしね」と話します。
圧倒的なコスパを誇る商品へと“魔改造”されたアジフライ・ごはんセットは、その後どんどんと話題を呼び人気商品に。販売数は現在、発売当初と比較して2.5倍に成長しているといいます。
増量でも価格据え置き「超コスパ」を維持できるワケ
アジフライ・ごはんセットの超コスパの裏には、さまざまな効率化の工夫が潜んでいます。
例えば、付属のマヨネーズは海老マヨネーズと同じものを使用。店舗オペレーションを考えるうえで、料理によって調味料を使い分けると間違いが生じやすいことから統一しているそうです。また、アジも工場で衣まで付けたものを店舗まで配送。店内では、温度を管理して揚げ、油切りをする程度のオペレーションで提供できるようにしています。
どんな食べ方をしている人が多いのか聞いたところ、1人で食べるのはもちろん、複数人で分けて楽しむ人も多いとか。ランチタイムを逃した人が、我流のランチセットとして注文するケースもあるそうです。
また、バーミヤンではボトルキープサービスも行っており、おつまみとして楽しむ人もいるといい、楽しみ方は多岐にわたります。一度注文した人が再度注文するケースも多く、着実にリピーターが増えています。
中華らしからぬメニューの一方、その圧倒的なコスパを武器に支持を広げるアジフライ・ごはんセット。次に続くメニューも気になるところです。福島さんに聞いたところ、あくまで構想段階という前置きのうえで「カキフライもいいですし、焼き鳥のように、香ばしく焼いて甘辛な味付けをしたチキンも中華料理と相性がよさそうですよね」と話してくれました。
わずか1000円ほどで、自分流の「最強セット」を作れるアジフライ・ごはんセット。今後はどんな商品が生まれるのか、目が離せません。
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