任天堂「スプラトゥーン」はなぜヒットしたか 売り切れ続出するWii Uソフトの魅力と課題

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プレイヤーは自分のチームの色に塗られた床の上であれば、軽快に動きながら武器を撃つこともできるし、イカに変身してインクの中を高速移動しながらインクの補充もできる。しかし、相手の色に塗られた床の上では、ダメージを受け、動きも鈍り、イカになっても何もできない。いくら百戦錬磨のプレイヤーであっても、相手チーム色の床の上では「まな板の鯉ならぬ、まな板のイカ」である。

初心者にもわかりやすいルール

そんな床の色は、手元のWii U GamePadに全体図がリアルタイムで表示されている。これを見れば今、味方が有利なのか不利なのかがすぐにわかる。また相手の色が増えている場所があれば、その付近に相手がいることもわかる。床の色によって有利不利が明確になるから、初心者でも行動の指針を決めやすいのだ。

初心者も、プレイするたびに、やがて敵を倒せるようになり、効率的に床を塗りながら同時に相手の侵攻を食い止められるようになる。こうなれば初心者は卒業だ。

筆者も何度となくプレイしているが、極めて直感的に状況が把握でき、勝つにせよ負けるにせよ、あまり理不尽な感じがせず、プレイ相手に対する怒りとかがあまり湧かず、快適にプレイできている。

そんな楽しいスプラトゥーンではあるが、その人気は当分安泰なのだろうか? 筆者はそうでもないだろうと考えている。

まず問題になってくるのは、これはスプラトゥーンに限ったことではないが、時間が経てば経つほど、慣れたプレイヤーと新参のプレイヤーの差が生まれてくる。

今はまだ、初心者が多く入り込んでいる状況で、わいわい楽しく遊んでいる。しかし、徐々に上手い人が出てきて、初心者が入り込めない壁が生まれてくる。

プレイヤーのランク付けや、ガチバトルなどの別要素に対する振り分けで多少は緩和できるものの、対人戦である以上は腕前による格差から完全に逃れることはできない。夏頃には「初心者お断り」なゲームになっていても、決しておかしくはない。

初の大型イベントは問題発生

そして筆者が、今後のスプラトゥーンにとって、最も重大な問題だと考えるのが、6月13日から6月14日の24時間を費やして行われた「フェス」が失敗したことだろう。フェスとはユーザーが2つのチームに分かれ、勝敗を決める期間限定のイベントだ。このときは、朝食について「ごはん派」と「パン派」に分かれる勝負となった。

スプラトゥーン始まって以来、初の大型イベントとして期待されたフェスであったが、開始直後から混雑しすぎたり、ごはん派に人数が偏ったりしたことにより、ごはん派の人はマッチングが成立するまで待たされるなどの問題が発生した。

次ページ問題はほかにも……次回に期待すること
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