合意か、破談か--日立と三菱重工、経営統合の行方

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 そもそも、三菱重工は自社開発・自社製造にこだわる会社であり、プライドが高いことで知られる。事業拡大の手段も日立と違い、部分的な資本提携はあっても、M&Aを活用することは少なかった。

一方の日立は、社会インフラ事業にシフトする戦略を掲げ、上場子会社5社の吸収、HDD事業の売却など、事業構成の見直しを急ピッチで推進中。統合を持ちかけるとすれば日立サイドからである可能性が高く、なおさら統合は、三菱重工の自尊心が保たれる形でなければなるまい。

確かに両社は、00年に製鉄機械部門を統合し、現在も水力発電機器の統合が大詰めを迎えるほか、海外向け鉄道事業でも提携。福島第一原子力発電所の事故処理では、三菱重工が日立を支援するなど、親しい間柄にある。

何事にも慎重な社風は似ており、東芝と競合する点で利害関係が一致する点も多い。特に三菱重工は06年に提携先のウェスチングハウスを買収された一件で、東芝との間に感情的なしこりを残している。

感情的な行き違いも

一部では東日本大震災、福島事故による原発ビジネスへの逆風が再編の引き金を引いたとする見方もあるが、これは現実的でない。「三菱さんとで検討している案件は以前から山ほどある」(日立幹部)。

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