合意か、破談か--日立と三菱重工、経営統合の行方

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 今回の統合交渉も、従来からの協業路線の延長線上で自然と持ち上がった、と見るのが順当だ。となれば、三菱重工のガスタービンと日立の蒸気タービンで電力システム事業を補強するなど、今までのような特定分野での部分協業を進める公算が高い。

むろん今回、将来の構想として、一段と踏み込んだ事業統合が模索され、トップ同士で内諾に近いやり取りが交わされた可能性は排除できない。が、日立の中西社長が経営統合を認めるような発言をしたことが、三菱重工の“プライド”を刺激した。驚いた三菱重工側が日立に協議の中断か中止を申し入れたようだ。

両社は05年に、統合で合意していた空調冷凍事業で仲たがいした結果、合弁設立を見送った過去もある。三菱重工に至っては、統合について「決定した事実もないし合意する予定もない」と、今後の可能性まで否定する公式コメントを発表してしまった。

経営統合に向けては、まだまだ紆余曲折がありそうだ。

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(本誌:長谷川高宏、柿沼茂喜 =週刊東洋経済2011年8月13・20日合併特大号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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