facebookで「詐欺広告」が放置され続ける真因 SNS企業の「責任」に関する法律が免罪符に?
著名人の画像を用いたなりすまし詐欺広告問題は、以前から他国においても取り沙汰されている。
オーストラリアの著名人の画像を不正に使用した広告を掲載したとして、オーストラリアの競争・消費者委員会(ACCC)は2022年にメタを告発。訴訟の行方はまだ決定していないものの、メタにとって有利な材料は見られない。
一方で、訴訟大国であるアメリカにおいて、メタがこうした問題を放置している責任を追及されていないのはなぜだろうか。
そのヒントは、オーストラリアの億万長者、アンドリュー・フォレスト氏が、アメリカ・ワシントン州で起こそうとした裁判の経緯から透けて見える。
アメリカでなぜ責任追及されないのか
フォレスト氏は、彼の肖像を用いて暗号通貨詐欺へと誘導する広告をメタが掲載したことに対する告発を行う中、オーストラリア国内では問題解決しないことからオーストラリア連邦政府に働きかけ、政府を通じてアメリカ・ワシントン州にて刑事告発していた。
しかしその事前協議の段階で、具体的な審議には進むことができず、アメリカでの裁判を断念した。
立ちはだかったのは、通信品位法の第230条にある「双方向コンピューター通信サービスのプロバイダーは、中傷的または違法なメッセージに対して責任を負わない」という規程だ。つまりアメリカでは法律上、メタのような双方向の情報交換サービス事業者は、投稿されたコンテンツに対する責任から解放されているのだ。
実際にメタ側は、2023年4月~11月の間にフォレスト氏の肖像を使った1000以上の広告がメタの広告として掲載されたことに異議は唱えず、代わりに230条を根拠として自己弁護したという。
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