facebookで「詐欺広告」が放置され続ける真因 SNS企業の「責任」に関する法律が免罪符に?
アメリカ企業であるメタが公式に、こうした詐欺広告を掲載する業者を「共通の敵」と表現するのは、現地の法律にのっとって運営している通信プラットフォームを悪用された被害者である、という主張があるからと言える。
実は似たような事例はほかにもある。
Amazonマーケットプレイスへの不正な出品者に対し、Amazonの取り締まりが甘いとの批判が数年前に高まったのを記憶している人も多いだろう。
現在、かなりの数の不正出品者がアカウントを削除されたり、口座を凍結されたりしているが、それでもなお、偽のブランド品などを販売する事業者は根絶やしにはなっていない。
Amazonは不正アカウントの検出精度を上げるよう、自動的な審査のシステムを大幅に強化することで対応してきた。それでも根絶やしにできないのは、出品者自身やその商品の審査に関して、Amazonが主体的に関わることを避けたい意図があるからだと考えられる。
対策に取り組むメタの姿勢に疑問も
その根拠はメタの場合と同じだ。通信品位法第230条の恩恵を受けるために、掲載する情報に対して自らが主体的に関わるのではなく、あくまでも通信内容には関与しない立場を貫きたいためだ。
しかしながら、Amazonがマーケットプレイスの出品者の審査を厳しく行うようになったように、通信サービスとしてのブランド価値を毀損せず、ユーザーの離反を引き起こさないためには、メタも何らかの対策を取らざるをえなくなるだろう。
著名人のなりすまし、詐欺広告などは、第三者の肖像を勝手に使っている時点で、AIによる検知ツールで自動的に遮断する、あるいは有人の審査サービスにアラートを出す、といった対策を取れるはずだ。
日本だけでなくオーストラリアなどでも同様の問題が起きていることや、何度も同じ人物の肖像が繰り返し使われて詐欺が行われている様子をうかがう限り、そもそもAIを駆使して検出精度を上げているという主張すら、疑いを持たざるをえない。
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