「基本的にテレビ出ない」令和ロマンの発言の意図 コロナ禍経て育まれた、若手芸人の新しい基軸
「勝手に次の年号の世代『第7世代』みたいなのをつけて、YouTuberとか、ハナコもそうですけど、僕ら20代だけで固まってもええんちゃうかな」
かつてラジオ番組『霜降り明星のだましうち!』(ABCラジオ)の中で、霜降り明星・せいやはこう語っていた。ほぼ同世代のくるまの発言と似たニュアンスを感じる。メディアを通じて先輩芸人から反発を受ける企画も近いものがあった。
4月5日に放送された『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(AbemaTV)の企画「#220:【鬼越トマホーク】立ち上がれ!高卒芸人!!大学お笑い芸人が勢力を拡大させている問題【魂の叫び】」はその典型だろう。
鬼越トマホーク・坂井良多が大学お笑い出身者のストレッチーズに向かって「お笑いサークルって何?」とすごみを利かせ、令和ロマンが出演番組を選んでいることに対して「若手芸人が何となくやってきた仕事をブランディングと称し断る。これが大学お笑いの今のやり口」と言い放つなど、「高卒vs大卒」の対立構造で番組を沸かせた。
大学お笑いと高卒お笑いの融和
これは、2020年2月に放送された『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で“中堅に差し掛かった芸人たちが第7世代の波に乗れず苦悩している”というエピソードを語る企画「僕らビミョーな6.5世代」とよく似た構図であることに気付く。
ただ、大きく違ったのは、4月12日に放送された『しくじり先生』の【完結編】で鬼越トマホーク・坂井が「俺は慶応大学入っておばあちゃんを喜ばせたかった」と前言撤回し、今後は「大学お笑いと高卒お笑いの融和」が大事だと着地させていた点だ。
実を言うと、「第7世代」ブームの後期に筆者は6.5世代にあたる芸人から「正直、仕事が被らないから文句はない」「むしろ、仕事が増えてありがたい」と聞いたことがある。
もちろん、本気で下の世代に不満を持つ芸人もいただろうが、かなり少ない印象だ。あくまでも対立構造は、バラエティーを盛り上げるための演出だったのだろう。それから数年後、近い企画でリアルな方向に舵を切っていたことが新鮮だった。
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