イラン攻撃→「全面衝突」あるか、たった1つのカギ 「水面下の戦争」から局面一転、直接攻撃の衝撃

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

イスラエルが在外公館を空爆したのにも経緯がある。昨年10月のハマスによるイスラエル南部への奇襲攻撃を受けたガザ戦争で、イスラエルはイランの支援を受けるイエメンのイスラム教シーア派系フーシ派や、レバノンのシーア派組織ヒズボラからの攻撃にもさらされてきた。ミサイルやロケット弾による散発的な攻撃にとどまっているものの、イスラエルはイランが背後で画策しているとしていら立ちを強めていた。

イランによるイスラエル攻撃に先立つ13日には、革命防衛隊がホルムズ海峡付近でイスラエルに関係のある船舶を拿捕した。過去にもイランに近いオマーン湾やペルシャ湾などでイランの関与が疑われる船舶への攻撃が相次いだこともある。今後、イスラエルとイランの戦いは、より直接的な形を取り、全面戦争へのリスクが飛躍的に増大したと言えよう。

ポイントはイスラエルが報復措置に出るか

今回の局面で焦点となるのが、領内攻撃を受けてイスラエルが報復措置に出るかどうかだ。

3月には、ガザ地区に対する食糧支援活動を行っていたアメリカの慈善団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」の車両が空爆を受け、WCKのスタッフである英豪などの外国人7人が死亡した。

ガザ当局の集計で3万3000人以上が死亡したイスラエルのガザ攻撃で、民間人の犠牲者の多さを批判してきたアメリカだが、強固な同盟関係を背景にイスラエルへの弾薬供与などの軍事協力を続け、国際的な批判を浴びてきた。

WCKスタッフの死亡を受けてアメリカのバイデン政権のイスラエルに対する言辞は、表現だけ見れば厳しさがうかがえるようになっている。イスラエル軍は重大なミスがあったとして将校2人を解任、ガザ地区南部のハンユニスから地上部隊を撤退させるなど国際社会の声に耳を傾けてこなかったイスラエルは批判を交わそうとする動きも見せている。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事