多くの新規事業の開発が失敗する理由と回避策 「見ざる・聞かざる・言わざる」の問題点とは?
支援の経験上、最初に作った計画は楽観的すぎるものになるため、チーム内で悪魔の代弁者(議題に対してあえて批判や反論をする役割)を立て、批評の場を持つことをおすすめします。
それを怠り、勝ち筋の検討が甘いままサービス構築まで進んでしまうと、事業拡大できずに投資も凍結され、撤退やゾンビ化(リリース後に放置されコストを生み続ける)するリスクが生じます。
事業構想フェーズでは一度立ち止まり熟考する、その後の検証~構築はスピーディに実行する、というギアチェンジの意識が重要となります。
製品/プロダクトは「永遠のβ版」という認識を
検証フェーズはMVP(Minimum Viable Product)という、顧客に価値を提供できる最小限の製品/サービスを作るフェーズです。このフェーズでは我が子可愛さに当初プランに固執して失敗するケースがとても多く見受けられます。
事業計画同様に、製品/プロダクトは「永遠のβ版」という認識を持つべきです。つまり、想定顧客からの率直な声を拠り所にした見直しが大前提になります。
BtoCの場合、クイックに試作品を作り、料金を設定して実際に利用してもらうのが一番です。プランの転換を検討する際に「コストをかけて試作したのに顧客に使われなかった」という事実は強い説得力を持ちます。
BtoBの場合、7~8社からの利用意向が成功の重要な指標となります。既存の顧客との関係を活かすのが理想的ですが、既存事業部からライバル視され営業現場での協力が得られないこともあります。
効果的なアプローチの一例として、営業部の役員を構想フェーズから検討に巻き込み、支持を得る工夫があげられます。この方法は、市場投入プロセスをスムーズに進める助けにもなります。