有料会員限定

黒い大佐は「自民族支配」の危うさを知っていた 佐藤優の情報術、91年ソ連クーデター事件簿54

✎ 1〜 ✎ 445 ✎ 446 ✎ 447 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

筆者はアルクスニス氏の故郷であるラトビアが今後どうなるのか不安を覚えたので、率直に尋ねてみた。

──ヴィクトル、これからラトビアはどうなるのだろうか。

「ソ連から離脱して独立国家になるのは確実だ」

ラトビア独立への動き

──たしかラトビアのロシア系住民は50%もいる。独立を実力で阻止しようとしないのだろうか。

「ロシア系住民のほとんどが労働者だ。運動を組織化する指導者がいない」

──しかし、リガ(ラトビアの首都)には、ロシア系の知識人もたくさんいるではないか。

「彼らはラトビア人民戦線を支持している。ロシア人だが独立支持派だ。この知識人たちはロシア系労働者と連携するつもりはない」

──なぜロシア系なのにラトビア独立を支持するのだろうか。

「それはこの知識人たちが世界市民主義的な価値観を持っているからだ。独立したラトビアは民族的帰属にかかわらず、すべての人が自由で平等に暮らせる場所になるとの幻想を抱いているからだ」

──ヴィクトルはラトビアに市民社会が形成されることはないとみているのか。

関連記事
トピックボードAD