鬼平がコンセプトも!個性あふれる3つのSA/PA リニューアル続く「東北道・圏央道」の後編

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羽生PA付近には江戸時代、日光・東北方面へ向かう街道の関所があったことから、鬼平江戸処はこの地を江戸情緒あふれる場所に見立てて開業した。その目論見は大成功で、10周年を経てすっかり定着したように思える。

ここでは、埼玉県の名産、深谷ネギを使った「深谷ネギ肉そば」と古銭をかたどったクッキーがついた「もこもこソフトクリーム」を食べ、午後の「仕事」に備えた。

鬼平江戸処の屋外のスペースでは、休日に猿回しなどの大道芸が行われており、ここが一種の祝祭空間として、ドライブの疲れを癒やす演出が各所でなされていることを確認した。

菖蒲PAの物販は“少量多品種”が特徴

東北道は、久喜白岡ジャンクションで圏央道と交わっている。その交点から5kmほど内回りを走ったところにあるのが菖蒲PAで、内回り・外回りの両方の車線のドライバーが立ち寄れる「集約」PAである。

上下集約型の圏央道の菖蒲PA(筆者撮影)
上下集約型の圏央道の菖蒲PA(筆者撮影)

「菖蒲」は植物の名だが、かつては実在した自治体名で、「菖蒲町」は久喜市などと合併して、今は久喜市菖蒲地区となっている。

菖蒲PAは、規模こそそれほど大きくないが、物販は“少量多品種”のちょっと変わった品ぞろえで、近隣ではなかなか販売していないものが手に入る。また飲食店も、うどんやそば、定食などが食べられる店に加え、川越市に本店がある有名ラーメン店「頑者」が入っている。

菖蒲PAは、東京から放射状に地方に向けて伸びている東関道、常磐道、東北道、関越道、中央道、東名の6本の高速道路に加え、圏央道自身を加えた7本の街道のハブにあたるPAである。

そのため、かなり広域の物品が集められているほか、能登半島地震の復興を支援する「北陸応援フェア」の品物も置かれているなど、ふだんから広域の商品に目配りしている店舗のフットワークの軽さが表れている。

愛知県出身の筆者は、ご当地の「オリエンタルカレー」や「キリマルラーメン」が置かれているのに目を引かれた。

菖蒲PAは、広く各地から商品を仕入れている(筆者撮影)
菖蒲PAは、広く各地から商品を仕入れている(筆者撮影)

圏央道は、ほかの高速道路と比べて休憩施設が少ないため、菖蒲PAの存在は貴重である。4月には、常磐道と東北道の間の内回りに、坂東PA(茨城県坂東市)が開業予定で、その後ハイウェイオアシスとしても整備される計画があるため、菖蒲PAの役割は少し薄まるかもしれないが、これからも個性的な品ぞろえであってほしいと感じた。

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