花粉症対策に悩む人に教えたい「舌下免疫療法」 内服は市販薬で十分、点鼻と点眼薬は要注意

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漢方薬も花粉症に有効だ。鼻水や鼻閉(はなづまり)には小青竜湯(ショウセイリュウトウ)、目の痒みや赤み、腫れには越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)が代表的な処方だ。2つを併用することも多い。鼻がつまり、鼻水が黄色や黄緑色になるなど副鼻腔炎になった場合は、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)や葛根湯(かっこんとう)を用いることもある。

漢方薬の最大のメリットは、眠くならないことだ。ただし別の副作用がある。小青竜湯と越婢加朮湯に含まれる麻黄は交感神経を刺激するため、血圧が上がり脈拍も増える。高血圧や不整脈の治療を受けている人では要注意だ。そうでなくとも動悸(心臓の鼓動を強く感じる)がして不快に感じる人もいる。

また、同じく両者に含まれる甘草という成分により、高血圧やむくみ、血液中のカリウムの低下が起きることがある。カリウムが低下すると不整脈が起きやすくなる。漢方薬とはいえ薬であり、副作用はゼロではない。短期間であれば問題にはならないかもしれないが、数カ月にわたって服用する場合は、血圧のチェックや、血液検査で副作用のチェックを受けるべきだ。

私は、抗アレルギー薬を中心に、漢方薬を併用して処方することが多い。普段は夜1回服用の強めの抗アレルギー薬を使い、それでも日中に症状が強くてつらいときは漢方薬を足して服用する方法だ。

市販薬でも十分コントロールできる

医療機関に行く時間がないという人も心配は要らない。市販されている抗アレルギー薬をうまく利用すれば、多くの人では症状コントロールが可能だ。小青竜湯も市販されている。医師が処方するのと同等の効果の強い薬もOTC薬(市販薬)としてドラッグストアなどで販売されているので、うまく症状を抑えてくれる薬を見つけよう。抗アレルギー薬を効果の強い=鎮静の強い順にならべると「セチリジン>エピナスチン>ロラタジン>フェキソフェナジン」となるのが私の感覚だ。

一方、点鼻薬と点眼薬は気をつけなければならない。購入するときに店員に確認するといいが、 血管収縮薬(ナファゾリン)が入っていると“くせ”になりやすい。目の充血がサッと引き、鼻の詰まりがスッと取れるので、最初はいい。ただし連用すると、薬の効果の持続時間が短くなり、薬をつねに使い続けなければならない状態になる。そのため、定期的に用いる薬では、血管収縮薬の入っていない点眼や点鼻薬を選ぶべきだ。

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