米国は事前警告｢モスクワテロ｣わかっている事 60人以上が死亡､100人以上が負傷と報道

コンサートホールでの銃撃は、ベテランロックバンド「ピクニック」の完売公演が始まる数分前に発生した。コンサートホールのウェブサイトによれば、座席数は6200ある。

「迷彩服を着た少なくとも3人がクロッカス市庁舎の1階に乱入し、自動小銃で発砲」し、焼夷弾を投げつけたと、RIAノーボスチ通信員が現場から報告した。「負傷者が出ている」。

コンサートホール内で撮影された映像では、ホールの外で繰り返される銃声が響く中、観客の悲鳴が聞こえ、しゃがみ込む姿が映っている。

ロシアの救急隊は、130台の車両を現場に派遣し、3機のヘリコプターで上階を焼き尽くした炎に放水したと発表した。夜遅くには、火はかなりおさまったようだ。

過去にも組織的自爆テロがあった

銃器の所持を国家が厳しく規制しているロシアでは、銃乱射事件は珍しい。2022年、イジェフスクの学校で起きた銃乱射事件では、18人が死亡、23人が負傷した。

22日の襲撃による死者60人、負傷者100人以上という数字が正しければ、死者数は37人が死亡した2011年のモスクワのドモジェドヴォ空港での自爆テロや、38人が死亡した2010年のモスクワの地下鉄駅での2つの組織的自爆テロに匹敵する。

2004年には、チェチェン分離主義者によるモスクワの劇場での包囲で172人が死亡した。警察は襲撃者を無力化するために劇場に鎮静ガスを注入したが、ガスは132人の人質を殺害した。

今回襲撃があった複合施設は、アゼルバイジャン出身の億万長者アラス・アガラロフが開発したもので、同氏の息子エミンは有名なポップスターである。アメリカのドナルド・トランプ前大統領は、2013年に同複合施設でミス・ユニバースの大会を開催し、エリック・クラプトン、デュア・リパ、シーアといった世界的に有名なパフォーマーもそこで公演を行っている。

（執筆：Alina Lobzina記者, Julian E. Barnes記者、Neil MacFarquhar記者）

（C)2024 The New York Times