裏金事件「政倫審」で幕引きという思惑が大外れ 下村氏は関与否定"裏金議員処分"の行方も不透明
そもそも森氏は首相在任中を除いて1998年から2006年にかけて清和研会長を務めていた。裏金事件に関する自民の聞き取り調査の報告書にも、政治資金収支報告書への組織的な不記載が始まった時期を「遅くとも十数年前、場合によっては20年以上前」と書かれている。同派座長の塩谷立元文科相も3月1日の衆院政倫審で「二十数年前から始まったのではないかと思う」と説明した。
ただ、同氏を含め、衆参の政倫審に出席した塩谷立元文科相、松野博一前官房長官、西村康稔前経産相、高木毅前国会対策委員長、世耕弘成前参院幹事長の6氏はそろって「森氏が関与していたという話は聞いたことがない」(西村氏)などと弁明。岸田首相も3月6日の参院予算委で「具体的に森元総理の関与を指摘するような証言は確認されていない」と答弁していた。
「裏金議員」80人超の処分の行方も不透明
ただ、その岸田首相も、ここにきて森氏をめぐる発言を修正し、3月15日の国会質疑では、「関係者に対する追加聴取を党で検討している」としたうえで、「関係者の中には森元首相も入ると認識している」と述べた。このため、与党内にも岸田首相が自ら森氏に事情を聴くしかない」(自民幹部)との声が強まり、岸田首相の対応が注目されることになった。
そうした中、18日の下村氏の弁明を受け、自民党執行部が裏金事件に関与したとされる安倍派と二階派(志帥会、解散決定)の議員80人超を4月上旬にも処分する方向で検討していることを一部メディアが報じた。
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