東大生が面接の自己PRで使わない「ある一言」 企業はどんな学生がほしい?重視する要素とは

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一般常識や語学力、学業成績よりも、コミュニケーション能力が重視されているのです。当然ではありますが、仕事では、顧客や同僚、上司といった多くの他者と関わることになります。そう考えたときに、他者との意思疎通のためにもコミュニケーション力は欠かすことができないと言えます。1位にくるのも、納得感がありますね。

次に求められるのが、主体性です。さて、皆さんは、主体性という言葉の定義を明確に持っているでしょうか? おそらくですが、主体性というのを、なんとなく「積極的」とか「自主的」といった言葉と同じように定義している人もいるのではないかと思います。この点を勘違いして解釈してしまうと、就活で大きな失敗をしてしまう可能性があります。

岡山大学の教育推進機構 准教授で、非認知能力についての研究を行っている中山芳一先生は、「主体性」について次のように述べています。

「自主的」というのは、ただ自分で判断をして行動をすることだけを指します。仮に、「自分の判断で相手がむかつくからぶん殴った」というとんでもない行動をしたとしても、それは「自主的」であると解釈できます。
それに対して「主体性」は、周囲の意見・周囲の反応を尊重しつつ、自分の責任で行動することを指します。
他のものに導かれたり、周囲から影響を受けたりすることは、私たちが発達する上で必要不可欠であり、その中で自分という「主体」は形成されていくのです。
周囲との関係を切り離して、自分自身の意思を貫くことが主体性かと思いきや、周囲からも影響を受けながら自分自身を形成していくのも主体性となるのです。

要約すると、「主体性」とは、「周りの意見を反映したうえで、自分で責任を持って行動すること」だと言えます。これは、「自主的」とは別のものだと定義されています。だからこそ東大生は「自主的」という言葉を使わないようにしているのです。

学生時代に力を入れたこと、どちらが好印象?

たとえば、就活では「学生時代に力を入れたこと」を聞かれることがあります。そのときに「どんな話をしたらいいのか」と悩む人が多いと思いますが、どちらのほうが面接官からは好印象を持たれるでしょうか。

A インターン先で新規商品の販促に関わり、自分がリーダーシップを発揮してアイデアを出し、チームメイトと一緒にそのアイデアを実現させて、その結果として、売り上げ1000万円を達成することができました!
B インターン先で新規商品の販促に関わりました。リーダーとなる社員さんのサポートを行い、彼のアイデアを資料に落とし込むことや、チームメンバーの意見の調整・日程調整や進捗管理を行い、なんとか期日までに仕事を全うできました。
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